研究課題/領域番号 |
06452339
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐野 信雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50010749)
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研究分担者 |
鈴木 吉哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00092247)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | オキシサルファイド / 硫化マンガン / 酸化マンガン / オキサイドメタラジ- / 脱酸生成物 / 状態図 / 相平衡 |
研究概要 |
近年、酸化物系介在物に析出するMnSを析出核として鋼のγ-α変態を制御する新たな手法が開発されてきた。本研究では、まず、介在物組成の最適化を図るために、1473〜1723KにおけるMnO・SiO_2・MnS系スラグの相平衡について調べた。MnSの溶解度はMnO/(MnO+SiO_2)比の増加にともない、大きくなり特にその比が0.6のところで急激な増加が見られた。それはオキサイドメタラジ-におけるMnSの最大析出率を示す組成とほぼ一致する。また、いままで報告されていないオキシサルファイド化合物8MnO・3SiO_2・MnSが存在することがわかり、1573Kで液相と2MnO・SiO_2との包晶反応によって生成するものと考えられる。種々の温度における各化合物が飽和した融体組成から、MnO-SiO_2・MnS系状態図を推定した。さらに酸化物系介在物からのMnSの析出機構についても考察を行った。 次に、コールドクル-シブルを用いてFe-Ti-Mn融体と共存酸化物の平衡関係を1873Kで調べた。鉄中のマンガンおよびチタン濃度の増加にともない酸素濃度は低くなり、その効果はチタンの場合の方が大きくなった。同一マンガン濃度の溶鉄と平衡する溶融酸化物中のMnOとFetOの活量比は、鉄中のチタン濃度に関わらず一定の値を示した。鉄合金の組成と酸化物の各成分の生成自由エネルギーから1873KにおけるMnO-FetO-TiO_<1.5>系融体中のMnO、FetO、TiO_<1.5>の活量が求められた。また、Ti-Mnを用いた脱酸の最適実操業条件に関して考察を行った結果、マンガン濃度が約0.5mass%、チタン濃度が約0.0020mass%の溶鋼組成が適当であると考えられる。 以上の結果に基づき、介在物の組成形態制御を行うことにより、鋼の組織を微細化することが容易になるものと考えられる。
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