研究概要 |
TiおよびTi-Alの溶融塩電解に関する種々の物理化学的研究を行い,以下の成果を得た. 1.溶融塩化物中でのTiの電解採取法に関する研究 溶融塩化物中でのTiの電解採取法に関して種々の研究を行い,より効率的なTi溶融塩電解法を開発する上で有益な知見を多く得ることができた. (1)Ti金属の電解析出 電解条件等が電析Ti金属の性状や純度,および電解電流効率に及ぼす影響を詳細に検討し,良好なTi金属の電析が行える条件を明らかにした.また,溶融塩化物浴中に微量のフッ化物を添加することにより浴中のTiイオンの存在状態が変化することを明らかにし,フッ化物添加量と電析するTi金属の性状や純度の関係も明らかにした. (2)H_2酸化反応の検討 炭素材料を用いることにより,溶融塩化物中でH_2ガスの電解酸化反応が起こり得ることを明らかにした.H_2ガスの電解酸化が起こる電解電位から判断して,従来のCl_2ガス発生反応を利用する場合に比べて,かなりのエネルギー削減が可能であることを示した.また,H_2酸化速度や反応生成物についても検討した. (3)電極上でのTiCl_4の部分還元反応の検討 電解浴中へTiイオンを安定的に供給するため,電極上でのTiCl_4の部分還元反応についても検討し,電解条件等が部分還元速度や還元生成物に及ぼす影響を明らかにした. 2.溶融硼フッ化物中でのTi硼化物の電解コーティング法の研究 溶融硼フッ化物中でのTiイオンの還元挙動を詳しく検討し,特定の条件下でTiB_2が電析することを明らかにした.さらに,電解条件等がTiB_2電析物に及ぼす影響を詳しく検討し,緻密かつ平滑で,密着性のよいTiB_2皮膜を電析させることのできる条件を明らかにした.
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