研究課題/領域番号 |
06452376
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺崎 哲也 東京大学, 薬学部, 助教授 (60155463)
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研究分担者 |
山崎 雅代 東邦大学, 薬学部, 講師 (40240741)
加藤 将夫 東京大学, 薬学部, 助手 (30251440)
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 血液脳関門 / ポリオウイルス / ウイルス受容体 / 細胞接着因子 / ドラッグデリバリー / 癌細胞 / 転移 / 輸送担体 / ウイルス感染 / モノクローナル抗体 / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
脳選択的感染性を示すポリオウイルスは、lgスーパーファミリーに属する接着因子の一種と考えられる受容体が、その感染に密接に関与している。また、大腸癌細胞の肝臓への転移にはセレクチンのリガンドであるシアリルルイスX(sLe^Xが関与している。本研究は、ウイルス及び細胞の臓器選択的性を薬物動態学の観点から明らかにすることで、脳選択的デリバリーの新規方法を開発することを目的とした。^<35>S-メチオニンで標識したポリオウイルスを用い、ポリオウイルス受容体遺伝子発現マウス(Tg21)とそのwild type(ICR)に静脈内接種後の組織中濃度の経時変化を測定した。Tg21の血液脳関門(BBB)透過速度は強毒株のMahoneyとワクチン株のSabin1はほぼ同じとなり、いずれも、^<125>l-アルブミンに比べて約100倍以上の脳移行性を示した。さらに、ICRについても同様の結果が得られたことから、ポリオウイルス受容体以外の因子がポリオウイルスの血液脳関門透過性に関与していることが示唆された。次に、sLe^X発現量が異なる癌細胞の体内動態を解析したところ、初期分布過程に顕著な初回通過効果が関与することが明らかになった。sLe^Xの発現量は細胞の初期分布過程に影響しないが、その後の接着、侵潤などの過程を制御していることが示唆された。一方、脳への選択的デリバリーにおいて脳内移行した後に再び脳から排出される機構を解明することは重要である。本研究ではさらに、BBBにp-糖蛋白以外の排出輸送系が存在し、薬物の脳選択的デリバリーの障害となっていることを明らかにした。 以上の結果から、接着因子を利用した臓器選択的デリバリーには臓器特異的に発現している接着因子を利用することに加え、初期分布効率を向上させること、脳からの排出輸送系に認識されないことが重要であることが示された。
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