研究課題/領域番号 |
06452380
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然地理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 守 筑波大学, 地球科学系, 講師 (10153644)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 放射収支成分 / 付加放射 / 放射冷却 / 都市キャニオン / 都市面構造 / 遮蔽効果 / 熱画像 / 都市気候 / 放射加熱 / 長波放射 |
研究概要 |
都市面構造が都市地表面の放射収支成分の改変に及ぼす影響について研究した。とくに、本研究は、都市の天空遮蔽物体から射出される付加放射を、その遮蔽効果、すなわち遮蔽率と熱画像解析を用いて算定した表面温度とによって説明することをめざしている。主な結果は、次の通りである。(1)都市内外の夜間の長波放射場の基本概念が提唱されている。(2)遮蔽効果を規定している最重要因子の遮蔽率を、関東地方の都市規模の異なる諸都市を中心に調査した。市街地の都市キャニオンの遮蔽率は約10〜75%であった。(3)遮蔽効果のもう1つの規定因子である遮蔽物の表面温度の面的測定の有用性について、単純な4方位側壁をもつ橋脚を対象に検討した結果、都市キャニオン構成面の表面温度の全容パターンを捉えるために、サーモトレーサー測定が有用であることが示唆された。(4)熱画像解析を用いて、冬季における住宅ビルの壁面温度の昇温原因を調べた。日射が窓面よりも壁面温度の昇温により効果的に作用するのに対して、暖房は壁面よりも窓面温度の昇温により効果的に作用する。両昇温効果による下向き長波放射の増加(約4〜26W/m^2)はビル壁面から射出される付加放射を考える上で無視できないことがわかった。(5)冬季・夜間の観測から、遮蔽率の増加(約7〜31%の5地点)に伴い下向き放射・上向き放射量の増加、放射収支量の減少(ほぼ追線関係)が見出された。とりわけ下向き放射の増加率が顕著に大きく、放射収支成分に及ぼす遮蔽率の影響の大きいことが明示された。そして、熱画像解析に基づき、3つの材質別に表面温度を算定すると、それを用いた遮蔽効果により都市構造物からの付加放射をよりよく説明することがで判明し、当面のモデル化が達成された。(6)都市キャニオン(遮蔽率63%)の昼間には、夜間以上の付加放射があるものの日陰効果が大きいため正味放射は減少する。街路樹は全ての放射成分を減少させることも明示された。
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