研究課題/領域番号 |
06452414
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
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研究分担者 |
里深 好文 京都大学, 防災研究所, 助手 (20215875)
澤田 豊明 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027258)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 火砕流 / 流動モデル / 堆積モデル / 実験 / 再現計算 / 普賢岳 / ガス発生 / 流動機構 / 堆積機構 / 本体部 / 熱風部 / メラピ型 |
研究概要 |
雲仙普賢岳で頻発して多大な災害の原因となった火砕流に関しては、従来、豊富な火山地質学的な事例研究はあるものの、到達範囲を定量的に予測できるような力学的な研究は遅れており、火砕流危険範囲の予測という実際の要請に応えられる信頼度の高い方法は存在していないのが現状である。 本研究では、火砕流の流動性を支配する要因は火砕物質そのものから発生するガス流であると考え、現実の火砕流に近い流れを再現するために、加熱した砂に重炭酸ナトリウムを加えることによって、それ自体から活発にガスを発生する模擬火砕物質を作成し、それを実験用の流路に供給して、模擬火砕流を作るという独創的な実験を行い、その流動機構の解明を行った。これによって、斜面上の低部に沿って流れるいわゆる本体部の流れが強い乱流状態にあり、その上部に空気層との混合による熱雲部が形成されることが明らかになり、火砕流の流動機構解明に大きく前進することができた。 本研究では、さらに理論的研究を進め、流れの内部における粒子の支持機構に関して詳細な検討を加えて一般的な流動則を与えるた。この流動則によって、雲仙やインドネシアの火山で実測されている火砕流の流動特性がよく説明できることが判明した。また、火砕流が勾配の緩やかな地域に流出して堆積する機構についても、実験的、理論的に詳細な検討を行い、堆積過程の再現法を与えた。これによって、普賢岳のようないわゆるメラピ型の火砕流のシミュレーションモデルが開発されたので、これを雲仙における実際の火砕流の再現計算に適用して、ほぼ説明できることを明らかにした。さらに、実際の火砕流堆積物の調査からの火砕流の再現法についても検討している。
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