研究課題/領域番号 |
06453003
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
井上 厚行 千葉大学, 理学部, 教授 (30150270)
|
研究分担者 |
古川 登 千葉大学, 理学部, 助手 (40251194)
西田 孝 千葉大学, 理学部, 教授 (40012405)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | イライト / 開放系 / 結晶成長 / 結晶サイズ分布 / カオリナイト / 熱水系 / 風化 / オストワルドの段階則 / 熱小変質 / カオリン / 混合層粘土鉱物 |
研究概要 |
本研究の目的は、イライト鉱物を中心として、その他比較的低温・低圧、そして水溶液の存在する開放系での鉱物の生成や変化の機構を結晶成長学的・地球化学的に解明することである。研究期間中に得られた主な成果は以下の通りである。 (1)熱水変質帯におけるスメクタイトから変換生成するイライトの成長機構をX線回折と電子顕微鏡を用いて、結晶構造変化とそれに伴う晶相・粒度分布変化の観点から研究した。従来の研究から予想されたように、熱水系(高温度勾配、岩石/水比の小さい系)でのイライト鉱物の成長は溶解・再結晶過程により進行し、粒度分布は対数正規分布で特徴づけられる定常分布を示す。また、岩石/水比の大きな反応系における変化と比べて、固有の晶相変化経路を辿ることが分かった。 (2)北海道登別大湯沼懸濁物中から採取したカオリナイトの電子顕微鏡・原子力顕微鏡観察の結果、大湯沼のような対流の存在する場での結晶成長は2次元成長と結晶粒子の凝集・合体が特徴的であった。このことは溶液の分析から得られた過飽和度とも調和的であった。 (3)スメクタイト→イライト変換反応と同様、風化過程で見られるアルフェン→ハロイサイト→カオリナイト反応系列はオストワルドの段階則にしたがって進行し、その変化は溶解・再結晶過程に支配された反応系列である。鉱物の溶解度に対する粒径効果を考慮すると、この反応系列の変化経路は先駆体と生成物の溶解・成長速度の兼ね合いによって決定されることが半定量的に説明された。
|