研究課題/領域番号 |
06453012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
伊丹 俊夫 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40113518)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 無重力 / 液体金属 / 臨界現象 / 電気抵抗 / 二液相分離 / 臨界指数 / スピノ-ダル / 過冷却 / マイクログラビティ |
研究概要 |
均一液相から忽然と温度条件や圧力条件の変化により二種類の異なった液相が出現する二液相分離現象は、基礎的見地からも応用的見地からも、従来より多くの注目を集めてきている。この二液相分離現象は、重い液体が下層に軽い液体が上層に分離する重力分離が極めて速やかに進行することから、本質的に重力の影響が介在しているはずである。しかし、従来の研究では、この二液相分離における重力の影響はほとんど考慮されて来られていない。さらに、これまでおもに研究対象としては原子的性質のみが研究対象とされ、電子的性質が関与する臨界現象はほとんど顧みられて来なかった。今回、二液相分離現象に及ぼす重力の影響を解明する目的で平成7年1月29日に宇宙科学研究所の小型ロケットを使用して電気抵抗測定実験を実施した。この実験は共同実験プロジェクトELMの第二回目の実験ELMIIとして実施され、予備的に平成3年2月に実施されたELMIの実験結果と合わせて解析に供せられた。これらの結果、地上参照実験さらには地上実験室の電気抵抗測定実験の結果を総合的に解析し、多くの知見を得た。電気抵抗の温度係数が揺らぎの良いプローブとなること、無重力条件下では均一液相の臨界点近傍に発達する揺らぎ構造の発達は著しく顕著となり、また、均一液相の過冷却はスピノ-ダル温度近くまで発達することが判明した。さらに液体Bi-Ga、Cd-GaおよびHg-Ga合金の臨界組成や臨界指数βの従来の文献値に修正を加えた。また、従来、臨界挙動としての研究の対象外とされてきた熱膨張係数に異常な挙動をみいだした。二液相分離の真の描像や過冷却やスピノ-ダル分解の本質的理解のためには無重力実験が不可欠である。
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