研究課題/領域番号 |
06453043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪府立大学 (1996) 大阪市立大学 (1994-1995) |
研究代表者 |
植村 元一 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (90047241)
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研究分担者 |
兼田 直武 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (00264797)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | アレーンクロム錯体 / 面不斉 / アトロプ異性 / オルトリチオ化 / クロスカップリング / ピナコール還元 / 生体触媒 / 不斉配位子 / 生物触媒 / 不斉触媒 / 配位子 |
研究概要 |
芳香族化合物そのもの自身には光学異性体は存在しないが、対応する(アレーン)クロム錯体には芳香環面不斉に由来する光学異性体が存在できる。本研究では、(アレーン)クロム錯体をまず光学活性体として合成することを検討し、ついで、これらの光学活性クロム錯体を用いた不斉反応を行った。 ラセミ体のオルト置換ベンジルアルコールのクロム錯体を、生体触媒のリパーゼを用いて速度論的に光学分割することに成功した。フェノール、アニリン誘導体のクロム錯体にキラル塩基を作用させエナンチオ選択的にオルトリチオ化し、親電子試薬でトラップして二置換アレーンクロム錯体を高い光学純度で得ることができた。 不斉反応として、(アレーン)クロム錯体の面不斉を利用してアトロプ異性体をもつビフェニル体の両光学対掌体を立体選択的に作り分ける反応を開発した。(ハロゲン化アリール)クロム錯体とフェニルホウ酸との、パラジウム触媒によるクロスカップリング反応で得たビフェニルモノクロム錯体の軸不斉は、用いたフェニルホウ酸のオルト位の置換基に左右されることを明らかにした。さらに、カップリング反応で生成したsyn-配置のビフェニル体は、高沸点溶媒中で加熱、環流すると熱力学的に安定なanti-配置体に異性化することを見いだした。従って、単一の面不斉をもつ光学活性(アレーン)クロム錯体を出発原料として用いると、立体選択的なクロスカップリング引き続く熱異性化反応を用いて、アトロプ異性の両エナンチオマーを合成することを可能にし、さらにこの一連の反応を用いて軸不斉をもつ顕著な生物活性天然有機化合物ステガノンの全合成を行った。 光学活性(アレーン)クロム錯体を一電子還元し、立体選択的にピナコール反応が進行することを見出し、光学活性1、2-ジオール、1、2-ジアミンの立体選択的合成を達成した。
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