研究課題/領域番号 |
06453045
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮島 直美 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10199482)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 金属錯体液晶 / スメクティック液晶 / 双極子相互作用 / 強誘電性液晶 / 軸配位性相互作用 |
研究概要 |
本研究のめざすところは、メタルオキソ基のような分極した中心金属グループを含有する錯体を合成し、液晶相においてその整列を促すことによって強誘電的応答を引き出すことであった。この目標に向けて、いくつかの物質群について合成とキャラクタリゼーションを進める一方、金属錯体液晶における強誘電性発現のメカニズムについて考察した。 1.金属サリチルアルディミン錯体液晶におけるスメクティックC相の発現と双極子効果について。強誘電性液晶を得る直接的なアプローチとして、有機液晶に倣ってキラルスメクティックC相を誘導することが考えられる。本研究においては銅錯体の広範な事例について相転移、液晶構造等のデータを集積・解析し、スメクティックA/Cの多形現象を比較検討した。その結果、後者を目的とする設計においては重心密度波と双極子密度波の整合が重要であることが示唆された。 2.金属ジチオカルバメート錯体によるキラルスメクティック液晶系の構築。金属錯体の分子構造の複雑さという要因を除いて、液晶発現に関する分子論的議論を有効なものにするために、なるべく単純な棒状の形状を持つ錯体としてジチオカルバメート錯体を設計合成した。その結果、目的とする新規スメクティックC液晶とキラル修飾体を入手することができた。 3.金属サレン錯体の液晶挙動について。本研究の目標に直結するアプローチは極性中心金属グループ間の直接相互作用を促すことである。液晶性が報告されているサレン誘導体のオキソバナジウム錯体を取り上げ、類縁のニッケル、銅錯体を合成して比較検討したところ、中心対称性の二量体凝集を示唆する結果が得られた。このことは、金属錯体液晶における強誘電的秩序形成を図る上で、より精密な配位子設計が必要であることを示している。
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