研究課題/領域番号 |
06453066
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
河嶌 拓治 筑波大学, 化学系, 教授 (50041760)
|
研究分担者 |
栗原 誠 筑波大学, 化学系, 助手 (40272140)
小堤 和彦 立命館大学, 理工学部, 助教授 (50177250)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
|
キーワード | 錯形成の熱力学的パラメータ / 溶存錯体の構造 / 酸化還元反応 / 接触作用 / 活性化剤 / フローインジェクション分析法 / 錯形成の熱力学的パラメーター |
研究概要 |
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)及びアセトニトリル(MeCN)中においてピリジン(py)及び3-メチルピリジン(3Me-py)、4-メチルピリジン(4Me-py)と2価遷移金属イオンとの錯形成の熱力学的パラメーターの決定をカロリメトリーにより行うとともに、DMF中におけるマンガン(II)錯体のX線構造解析を行った。MeCN中において亜鉛(II)のトリス錯体は6配位から4配位へ構造変化することを示した。また、3Me-py及び4Me-py中における2価遷移金属イオンの溶媒構造をEXAFS法により決定したところ、亜鉛(II)イオンは4配位構造でマンガン(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)イオンは6配位構造であることが明らかとなった。種々の溶媒中における18-クラウン-6(18C6)とアルカリ金属及びアルカリ土類金属イオンの錯形成の熱力学的パラメーターをカロリメトリーにより決定し、18C6の錯形成は非水溶媒中で水中より有利であり、アルカリ金属錯体ではカリウム錯体が、またアルカリ土類金属錯体ではバリウム錯体が最も安定であることが分かった。また、様々な溶媒への18C6の溶解熱の測定から18C6の錯形成のエンタルピー変化とエントロピー変化は18C6の溶媒和状態を強く反映したもので、希な反応系であることを示した。DMFとMeCNの混合溶媒中において18C6とアルカリ土類金属イオンの錯形成の熱力学的パラメーターを決定したところ、DMF-MeCN混合溶媒中においても18C6はMeCNにより選択的に溶媒和されていることが明らかとなった。 過酸化水素の存在下で3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)とN-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(DAOS)は酸化カップリングし赤色(525nm)の色素を生成する。この反応に対する銅(II)の接触作用がピリジンの共存下で著しく増大することを利用した、0.002から0.1ngcm^<-3>の銅(II)の接触分析法を開発した。鉄(III)とバナジウム(IV)との反応は1,10-フェナントロリン(phen)の共存により鉄(II)-phen錯体(510nm)を生成する方向に進み、一方鉄(II)とパナジウム(V)との反応はニリン酸の共存により鉄(III)とパナジウム(V)が生成する方向に進む。この両反応を吸光度検出-FIA法に適用して、V(IV)とV(V)の新しい同時定量法を開発した。すなわち、本法は鉄(II)-phen錯体の吸光度をモニターし、パナジウム(IV)濃度に比例する正のFIAピーク、パナジウム(V)濃度に比例する負のFIAピークの2ピークを同時に得るものである。本法の原理は、鉄(III)とパナジウム(V)及び鉄(III)とクロム(VI)の二成分同時定量にも適用が可能であった。
|