研究課題/領域番号 |
06453081
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60125549)
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研究分担者 |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 炭化ホウ素 / ホウ化チタン / 炭化ケイ素 / 共晶反応 / ホウ素リッチホウ化物 / 傾斜機能材料 / 微細構造 / 熱電性能指数 / 熱電性能 / 性能指数 |
研究概要 |
1200K以上の超高温域で熱電性能が高い炭化ホウ素(B_4C)は有望な材料であるが、本研究では、複合化によって微細構造を制御することにより、その熱電特性を向上することをを目的とした。1200K以上の超高温域で熱電性能が高い炭化ホウ素(B_4C)は有望な材料であるが、本研究では、複合化によって微細構造を制御することにより、その熱電特性を向上することをを目的とした。 平成6年度には、p型の熱電材料として比較的高い性能を有し、耐酸化性の向上にも効果的な炭化ケイ素(SiC)をB_4Cと複合化することに着目した。まず、炭化ケイ素と炭化ホウ素の相関係を調べ、それらの相間の熱力学反応を利用して材料の微細組織を制御することを試みた。種々の組成の混合粉体をアーク溶解し、ボタン状試料を得た。SiC40〜50mol%付近で典型的なヲメラ状の組織が認められ、SiC-B_4C系が、擬二元共晶系であることを明らかにした。SiC量が20〜70mol%の試料の熱電性能は、いずれも温度の上昇とともに上昇するが、特に、SiC40mol%の試料が最大の性能を有し、1100KでZT=0.1以上になった。従来のホウ化物は、耐酸化性が低く、1000℃以下で容易に酸化するのが問題であった。SiCの添加により、著しく耐酸化性が向上することを確認した。 平成6年度の研究から、B_4Cと複合化する材料は、より電気伝導性の高いものが有効であるという知見が得られたので、平成7年度は、TiB_2を複合化することを試みた。まず、B_4CとTiB_2の相関係を調べ、それらの相間の熱力学反応を利用して材料の微細組織を制御した。種々の組成の混合粉体をアーク溶解し、ボタン状試料を得た。TiB_2が15〜25mol%付近で典型的なラメラ状の組織が認められ、TiB_2-B_4C系が、擬二元共晶系であることを明らかにした。TiB_2量が2〜30mol%の試料の熱電性能は、いずれも温度の上昇とともに上昇するが、特に、TiB_2量が6mol%の試料が最大の性能を有し、1100KでZT=0.5以上になった。さらに、約1200K以上の温度域でほぼ実用化レベルに達する。本研究で得られた試料は従来知られている高性能ホウ素リッチホウ化物に匹敵し、さらに、従来の材料よりも温度変化が大きいので、1300K以上の高温域でより優れた性能が期待できる。 本研究により開発されたTiB_2-B_4C共晶セラミックスは1300K以上で優れた熱電特性を有することから、800〜1100Kの範囲で優れた特性を有するSi_7Ge_3、500〜800Kの範囲で優れた特性を有するPbTe、室温〜500Kで優れているBi_2Te_3などを接合し、傾斜機能材料を形成することにより、全温度範囲で熱電特性を最適化することが、今後の課題である。
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