研究課題/領域番号 |
06453105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
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研究分担者 |
寺田 聡 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DCI)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 動物細胞培養 / オンラインモニタリング / FT-IR / 逆浸透膜濃縮 / ELISA / キメラタンパク質 / 抗原抗体反応 |
研究概要 |
本研究では、動物細胞培養系の培養液中のグルコースやグルタミンなどの基質、乳酸、アンモニアなどの代謝産物、抗体やサイトカインなどの生産目的蛋白質など、各種成分濃度をFT-IRを用いて総合的にオンラインモニタリングする技術を開発することを目的とした。 グルコース、グルタミン、乳酸のような低分子の基質、代謝産物については、培養濾液を逆浸透膜で数10倍に濃縮するという前処理を行った後にFT-IRで濃度を測定した。また、抗体やサイトカインの濃度を培地中の血清アルブミンなどと区別して測定するために、免疫診断などに用いられているELISA法を応用して、反応生成物濃度から目的蛋白質の濃度を間接的にFT-IRで測定する方式を試みた。 ポリアミド/ポリビニールアルコール系の逆浸透膜を用いた場合には、操作圧2MPaの条件でグルタミン溶液およびグルコース溶液を約50倍に濃縮することが可能であった。しかし、乳酸の濃縮には逆浸透膜法は適さないことが明らかとなった。 ELISA法に用いる標識酵素、基質を種々に検討した結果、酵素としてアルカリホスファターゼ、基質としてフェノールリン酸を用い、生成物であるフェノールをFT-IRで測定する系が感度の点で優れていることが明らかとなった。また、FT-IR測定に適した高感度のELISA法を確立するために、酵素標識抗体として一本鎖抗体とアルカリホスファターゼのサブユニットを遺伝子レベルで1対1となるように融合させた組み換えキメラタンパク質を大腸菌で発現させるシステムの構築を行った。このキメラタンパク質は抗原認識能、酵素活性ともに元の能力を保持し、また、検量線の再現性も極めて高く、ELISA用の酵素標識抗体として十分な性能を持つことを確認した。比較的低分子のペプチドのような単価抗原にもサンドイッチELISA法が利用できるように、抗体のH鎖とL鎖の可変領域によって抗原を挟み込んで抗原濃度を測定するという新規なELISA法、すなわちオープンサンドイッチELISA法を開発した。
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