研究課題/領域番号 |
06453108
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
渡辺 寛人 北海道大学, 工学部, 教授 (80002856)
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研究分担者 |
瀬川 規 北海道大学, 工学部, 助手 (30196935)
斎藤 徹 北海道大学, 工学部, 助手 (40186945)
上舘 民夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (70185990)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | チトクロームP450 / チトクロームb5 / 抽出分離 / 相分離 / 非イオン界面活性剤 / ミセル溶液 / 水溶性ポリマー / 膜タンパク質 / チトクロームb_5 |
研究概要 |
非イオン界面活性剤ミセル水溶液が曇点で、界面活性剤に富む相(活性剤相)と水相の二相に分離する。この系に水溶性高分子を加えると、任意の非イオン界面活性剤ミセル水溶液の曇点を自由に制御し得ることを見いだし、このポリマー誘起ミセル水性二相分配法をチトクロームP-450(P-450)とb_5(b_5)などの膜タンパク質分離に応用した。 まず、n-オクチル-β-D-グルコシドミセル溶液の相分離条件を検討し、曇点に及ぼす水溶性高分子の影響を調べて、相図を作成した。また、曇点と両相体積に及ぼす塩の種類と濃度、グリセロールの効果を調べた。次に、ラットの肝ミクロゾームから精製したP-450とb_5を用いて、それらの分配挙動に及ぼす水溶性高分子、塩とグリセロールの影響を検討し、P-450とb_5が効果的に抽出されることを明らかにした。 特に、ジエチルアミノエチル-デキストラン(DEAE-Dx)を用いると、P-450は抽出されるが、b_5の抽出が抑制され、抽出選択性が制御できることを発見した。さらに、DEAE-Dxでマスクされたb_5がリン酸塩でデマスクされて、抽出されることや、最初にポリエチレングリコールで二相分離してP-450とb_5の両者を抽出後、活性剤相中のb_5をDEAE-Dxで逆抽出できることも見いだした。ポリマー誘起ミセル水性二相分配法はP-450、b_5のみならず、それらの電子伝達系に関与する二つの還元酵素(fp_1、fp_2)の分離にも有効であることを明らかにした。 ポリマー誘起ミセル水性二相分配法は、温度誘起ミセル水性二相分配法に比べ、広い汎用性を持つことが明らかになり、膜タンパク質の工業分離技術としても有望と判断された。
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