研究概要 |
1.1-アリロキシ-1-フェニルシラシクロブタンをジブロモメチルリチウムで処理すると,環拡大した1-アリロキシ-2-ブロモ-1-フェニルシラシクロペンタンが得られる。この化合物をトリエチルボラン共存下に,トリブチルスズヒドリドで処理するとラジカル環化反応が収率よく進行する。生成した2-オキサ-1-シラビシクロ〔3.3.0〕オクタンは容易に1,3,6-トリオールに導くことができる。 2.安息香酸エチルやギ酸イソプロピルに第三級ブチルジメチルシリルジブロモメチルリチウムを作用させるとカルボニル基への付加に続いてシリル基が炭素原子から酸素原子上へと1,3転位することを見いだした。第三級ブチルジメチルシリルジブロモメチルリチウムの代りにアリルジメチルあるいはビニルジメチルジブロモメチルリチウムを用いると、それぞれ対応するアリルシロキシ基ならびにビニルシロキシ基をもつ混合アセタールを合成することができる。こうして得られたβ,β-ジブロモ混合アセタールをトリエチルボラン共存下にトリブチルスズヒドリドで処理すると,アリルシロキシ基をもつアセタールからは2-オキサ-1-シラシクロヘプタンが選択的に得られ,一方ビニルシロキシ基をもつ基質からは5員環化合物2-オキサ-1-シラシクロペンタンが選択的に得られることが明らかとなった。 3.α-ヨードアシルシランにトリエチルボランを作用させるとラジカル的にエノラートを発生させることができる。得られるホウ素のエノラートにカルボニル化合物を作用させると立体選択的にアルドール付加体を得ることができた。なお出発原料デあるα-ヨードアシルシランは1-クロロ-1-トリアルキルシリル-1-アルケンをエポキシ化したものを,ヨウ化ナトリウムで処理することによって収率よく得ることができた。
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