研究概要 |
平均組成が(NH_4)_5H_6PV_4Mo_8o_<40>-nH_2O(以後NPVMoと略記)で示すことができる混合配位ヘテロポリ酸塩を触媒として分子状酸素を活性化し,アミンアルコール,フェノールやアルカンの一般性のある常圧酸素酸化ならびにNPVMoを触媒としN-ヒドロキシフタルイミドやキノンをメディーエーターとする新しい間接酸素酸化法を開発することに成功した。得られた成果を示す。 1。 NPVMoを触媒とする種々の有機基偵の酸素酸化 芳香族アミン,ベンジルアルコール,フェノール等の化合物をNPVMoを触媒として常圧酸素雰囲気のもとで酸化すると〓扶的に担当する脱水素化合物であるイミン,ベンズアルデヒド,およびキノンにそれぞれ良好の収率で変換することができた。 2。 NPVMo触媒とする新しい間接酸素酸化法の開拓 NPVMo/O_2系によってヒドロキノンはキノンに良好に脱水素されることが明らかとなったので,この反応とPd触媒を組み合せることにより新しい間接的常圧酸素酸化系をつくることができた。たとえば,シクロヘキセンは酢酸中で本触媒系による酸素酸化で良好に担当するアリル化合物に導くことができ,種々のシクロアルケンを酢酸アリルに変換する一般法として利用できることがわかった。また,アクリル酸エステルやアクリロニトリルはアルコール中で本触媒系によりアセタール化され,それぞれ相当するアセタールを定量的な収率で得られた。 3。 N-ヒドロキシフタルイミドを用いる酸化反応 N-ヒドロキシフタルイミドがNPVMoや他の遷移金属塩の存在下アルコールやアルカンの常圧酸素酸化反応を触媒し,シクヘキサンはシクロヘキサノンとアジピン酸に変換できることがわかった。本触媒は多の種々の有機基偵の酸化を促進した。
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