研究課題/領域番号 |
06453153
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
北野 博巳 富山大学, 工学部, 教授 (40115829)
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研究分担者 |
前田 寧 富山大学, 工学部, 助手 (60242484)
松郷 誠一 富山大学, 工学部, 助教授 (30148126)
伊藤 研策 富山大学, 工学部, 助教授 (10192494)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | レセプター / 自己組織化単分子膜 / 糖脂質 / 分子認識 / 表面増強共鳴ラマン / 膜タンパク / ハプテン / レクチン / スピン・格子緩和時間 / 脂質二分子膜小胞 / 細胞膜 / 表面増強共鳴ラマン法 / シクロデモストリン / 視覚化手法 |
研究概要 |
(1)細胞膜のモデル系として、両末端にカルボキシル基およびメルカプト基を有する長鎖アルカンを用いて自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer,SAM)を銀コロイド粒子に形成させた。これに、膜タンパク質シトクロームCが結合している状態を、表面増強共鳴ラマン分光法(SERRS)を用いて解析した。銀コロイド上に直接結合した場合にはヘムの酸化がみられたが、SAM上に結合させた場合にはネイティブな状態を保っていることが判明した。同様の手法を用いて、膜中に多く存在するレセプターのモデル系として、メルカプト基を有するシクロデキストリン(CD)を用いてSAMを銀コロイド粒子に形成させた。これに光学活性な色素が包接される様子を、SERRSを用いて解析した。遊離状態に比較して、シクロデキストリンSAMの場合には、立体選択的な分子認識が起こりにくいことを明らかにした。またゼラチンが、温度によりコンホメーションを変化させることに伴う水の構造の変化を、赤外分光法、レーザーラマン分光法により明らかにした。 (2)顕微鏡による視覚化手法を用いて、電荷微粒子と、それと同符号の荷電を有する平面や棒との間の相互作用によって誘起される当該微粒子の溶液内分布の異常性について検討を加え、この現象が微粒子と平面や棒との間の静電的な相互作用に起因することを明らかにした。 (3)生命現象において重要な脂質膜表面における糖の認識について検討を加えた。ガラクトースを有するビニルモノマーを脂質型ラジカル開始剤を用いて重合し、親水性部分に多数のガラクトースを有する新規の糖脂質を調製した。これとレシチンからなる脂質二分子膜小胞に酵素ガラクトースオキシダーゼを作用させると、膜上に多数のアルデヒド基が生成し、アミノ基を担持させた脂質二分子膜小胞との間にシッフ塩基を介した結合が生ずることを見いだした。またこのガラクトース担持脂質二分子膜小胞が、ラットマクロファージにより選択的に貪食されることを蛍光法により明らかにした。さらに親水性部にフェニルホウ酸基を多数有する新規脂質を調製し、糖タンパク質であるオブアルブミンとの分子認識過程を観察した。 (4)光フェントン試薬の光照射により発生するヒドロキシラジカルによりタンパク質が損傷をうける様子を、キモトリプシンやリゾチームを用いて検討した。さらに生体膜内において電子移動反応を行う酵素シトクロームCオキシダーゼについても速度論および立体構造の両面から検討を加えた。 (5)抗原基(ハプテン)を極性基に有する脂質単分子膜上に抗体が結合する過程を多重内部反射蛍光法によりで追跡した。結合速度は膜上のハプテンの密度と膜からハプテンまでの距離に大きく依存することを示した。
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