研究課題/領域番号 |
06453178
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂口 守彦 京都大学, 農学部, 教授 (00027187)
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研究分担者 |
木下 政人 京都大学, 農学部, 助手 (60263125)
豊原 治彦 京都大学, 農学部, 助手 (90183079)
平田 孝 京都大学, 農学部, 助教授 (40273495)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1994年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | ハマチ / タイ / 氷蔵 / 冷蔵 / 歯ごたえ / 液汁性 / 破断強度 / 核酸関連物質 / 風味 / トラフグ / マグロ / ヒラメ |
研究概要 |
活魚として入手することができるハマチおよびマダイを即殺し、三枚におろしたのち、ただちに氷蔵および冷蔵(5℃)し、経時的に普通肉のみを試料として採取した。ハマチでは官能検査によって旨味、こく(濃厚感)、歯ごたえ、液汁感、総合評価などの変化を調べたところ、いずれの温度でも貯蔵中に歯ごたえおよび総合評価のみが有意に低下することが明らかとなった。同時に測定した破断強度は緩やかではあるが、明瞭な低下を示した。このとき、液汁性は貯蔵開始後6時間目から顕著な増加傾向を示した。この事実は、この時期から肉片を噛んだときに歯ごたえは低下するが、肉汁が口腔内に滲みだすことによって風味が強くなる可能性があることを示している。旨味に関与し、貯蔵中に変化する成分として核酸関連物質があるが、貯蔵開始後ATP、ADPなどが速やかに減少し、呈味成分のIMPが増加した。この増加の速度は氷蔵の方が速やかであることが明らかとなった。 ヒラメでは旨味、こく(濃厚感)、歯ごたえ、液汁感、および総合評価のうち、ハマチの場合と同様にいずれの温度でも貯蔵中に歯ごたえおよび総合評価のみが低下することが明らかとなった。破断強度の低下は、ハマチの場合よりも速やかに起こること、液汁性は貯蔵中(10時間以後)に増加すること、その増加量はハマチの場合よりもはるかに少ないことなどがわかった。核酸関連物質については貯蔵開始後ATPが速やかに減少し、IMPが増加したが、増加の速度は氷蔵、冷蔵ともほぼ同様であった。上述のとおり、いずれの魚種でも歯ごたえを除く官能検査の結果は、核酸関連物質や液汁性の測定結果とは一致しなかったが、一般にきわめて鮮度の高い活け造りは、しばらく貯蔵したものよりも風味が劣るとされるので、貯蔵に伴って核酸関連物質(とくにIMP)および液汁性が増加する現象は、風味の発現と何らかの関連性があるものと解釈される。
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