研究概要 |
1.アサリから分離されたメタノール-水河溶画分を,クルマビの飼料に添加すると,クルマエビのGSIは無添加区に比較して,著しく促進された。 2.クルマエビの生殖腺発達に対する脂質の効果を調べた。リン脂質として,フォスファチジルエタノールアミン(PE),フォスファチジルイノシトール(PI),フォスファチジルコリン(PC),n-3高度不飽和脂肪酸として,エイコサペンタエン酸(EPA),ドコサヘキサエン酸(DHA),が用いられた。 大豆レシチン中のPC,PI,PEを分画精製し,クルマエビの卵巣発達に対する効果を比較した結果,いずれのリン脂質も卵巣発達に対して同様に効果があった。エビ卵巣中のリン脂質組成は,飼料中のリン脂質組成を反映していた。卵巣のPE,PIおよびPC含量は,PE,PIおよびPC飼料をそれぞれ摂餌した区で高かった。 クルマエビの卵巣発達に対する高度不飽和脂肪酸の効果は,EPAまたはDHA単独区より両脂肪酸併用区が高い値を示した。またDHAにはEPAより強い効果が見出された。卵巣,肝膵臓および筋肉の脂肪酸組成は,飼料中の脂肪酸をよく反映していた。 3.クルマエビ卵巣発達に対して,ビタミンAおよびEは効果を示し,ビタミンAでは15mg/100g飼料で,ビタミンEでは50mg/100g飼料で,卵巣発達が最も促進された。
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