研究課題/領域番号 |
06453189
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
冨士 薫 京都大学, 化学研究所, 教授 (20027056)
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研究分担者 |
川端 猛夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (50214680)
田中 圭 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50093266)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 軸不斉 / 不斉プロトン化 / 不斉オレフィン化 / 1,1′-binaphthalene-2,2′-diol / 1,1′-binaphthalene-8,8′-diol / Wittig反応 / 軸不斉化合物 / 不斉合成 / Horner-Wadsworth-Emmons反応 / エノレート / α-ジケトン / σ-対称 / プロキラル |
研究概要 |
本研究では1,1′-binaphthylを基本骨格とする軸不斉化合物を用いる不斉合成法を検討した。特に不斉Wittig反応と不斉プロトン化について検討を行った。Wittig反応はsp^2炭素からsp^2炭素に変換する反応なので従来不斉合成にはあまり利用されてこなかったが、今回σ-対称メソ型ジケトンのenantiotopicなカルボニル基をWittig型反応により不斉識別し分子全体の非対称化を行った。不斉試薬としては1,1′-binaphthalene-2,2′-diol(2-BINOL)を不斉補助基としたキラルphosphonateを用いた。その結果rigidな構造を持つ種々の環状σ-ジケトンについては高度な不斉識別が見られた。また本反応を分子内Wittig型反応として応用し、多環性骨格を持つケトンを比較的高いエナンチオ選択性で得ることができた。 不斉プロトン化は化学反応の中でも最も単純と言える中和反応であるが、それゆえ多岐にわたる光学活性カルボニル化合物の合成に幅広い応用が可能である。本研究では1,1′-binaphthalene-8,8′-diol(8-BINOL)を基本骨格とする不斉プロトン源を用いてエノレートの不斉プロトン化を行った。本不斉誘導は不斉プロトン源の構造にも大きく依存するが、エノレートのカウンターカチオンに大きな影響を受ける。例えばテトラロン誘導体のリチウムエノレートのプロトン化ではわずかに9%eeの生成物が得られたのに対し、対応するマグネシウムエノレートからは94%eeの生成物を得ることに成功した。
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