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X線結晶学による生物発光の分子機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 06453219
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生物物理学
研究機関京都大学

研究代表者

三木 邦夫  京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10116105)

研究分担者 喜田 昭子  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70273430)
研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード生物発光 / ルシフェラーゼ / FP_<390> / X線結晶解析 / タンパク質立体構造 / フラビン / FP390
研究概要

本研究では,発光細菌Photobacterium phosphoreum由来のルシフェラーゼおよびFP_<390>を対象としてX線結晶解析を行い,それぞれの三次元構造を決定することを目的とした.
Photobacterium phosphoreum由来のルシフェラーゼについては,結晶化条件の精密化を,補欠因子を含まないアポ酵素,FMNを補欠分子として含むホロ酵素,酵素,基質生成物複合体について行ったが,X線構造解析に用いるに十分な結晶は得られなかった.
FP_<390>については,シンクロトロン放射光を用いて測定した3Å分解能の回折データに基づいて,分子置換法を適用することによって結晶構造の解析に成功した.さらに分解能を上げて6.0〜2.7Åの反射に対して結晶構造の精密化を行い,最終モデルの結晶学的R値は24.0%である.
FP_<390>の全体構造の特徴は,モノマー2分子が非結晶学的2回軸で関係づけられてダイマー構造をとっていることである.Q-フラビンは各モノマーにつき2分子存在し,それぞれN末端近くの分子表面とダイマーの分子境界付近に位置している.ルシフェラーゼのβサブユニットのアミノ酸残基と相同性が高い領域は2カ所に分類できるが,そのうちの1カ所は分子境界のQ-フラビンに接近している.分子境界に存在するQ-フラビンではFMNのリビチル基が溶媒領域に突きだし,ミリスチン酸部分がタンパク質分子の内部に入り込んでいる.電子密度図上ではミリスチン酸部分がはっきりと見え,カルボニル酸素はイソアロキサジン環のRe面側へ,脂肪酸鎖はSi面側へ伸びている.一方,分子境界付近のQ-フラビンの場合では電子密度図上でFMN部分が比較的はっきりと見えるが,ミリスチン酸部分は非常にあいまいで,イソアロキサジン環に対する配置を特定できていない.このような電子密度が現れる理由として,分子境界のQ-フラビン結合部位に2種類のQ-フラビン(ミリスチン酸のイソアロキサジン環との結合部位が異なるQF_1とQF_2)が混在する可能性があげられる.ルシフェラーゼの反応において、副生成物,QF_2の生成を避けることができないとすれば,FP_<390>モノマー内に2カ所存在するQ-フラビン結合部位の役割はそれぞれ異なっており,分子境界のQ-フラビン結合部位は副生成物,すなわちQF_2を収納しておく場所であると考えることができる.

報告書

(3件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] A. Kita: "The Structure of Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium photobacterium phosphoreum at 2.7Å Resolution" J. Biochem.117. 575-578 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] A. Kita: "Crystal Structure Determination of a Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium Phosphoreum" Acta Crystallogr.D52. 77-86 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] A. Kita: "Crystal Structure Determination of a Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium Phosphoreum" Acta Crystallogr.D52. 77-86 (1996)J. Biochem.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] A. Kita: "Crystal Structure Determination of a Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium Phosphoreum" Acta Crystallogr.D52. 77-86 (1996)J. Biochem.Acta Crystallogr.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] A.Kita: "Crystal Structure Determination of a Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium phosphoreum" J.Biochem.117. 575-578 (1995)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] A.Kita: "The Structure of Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium phosphoreum at 2.7 A Resolution" Acta Crystallogr.D52. 77-86 (1996)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1995 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] A. Kita: "Crystal Structure Determination of a Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium phosphoreum" J. Biochem.117. 575-578 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] A. Kita: "The Structure of Flavoprotein FP_<390> from a Luminescent Bacterium, Photobacterium phosphoreum at 2.7Å Resolution" Acta Crystallogr.D52. 77-86 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] A.Kita,et al.: "Crystal Structure Determination of a Flavoprotein FP390 from a Luminescent Bacterium,Photobacterium phosphoreum" J.Biochem.117. 575-578 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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