配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
本研究では植物ホルモンとして最も多面的な作用を持つオーキシンで発現が制御される遺伝子群をクローン化しその機能並びに発現制御機構を調べることを目的とした。parA,parB,parCをタバコ葉肉細胞プロトプラストから、arcAをタバコ培養細胞BY-2からクローン化して解析してた。 WD-40 repeatと呼ばれる分子内繰り返し構造を有するarcA産物は、様々な生体制御因子を構成員とするGβファミリーに属する。WD-40 repeat構造はタンパク質間の相互作用のモチーフと考えられる。そこで、arcA産物の機能を探るため酵母を用いたtwo-hybrid法によりarcA産物と相互作用すると思われるタンパク質のcDNAをクローン化した。その中の1つはK^+チャンネルのβサブユニットと高い相同性が認められた。arcA産物に対する抗体を作製し、解析した結果BY-2の分裂が最も盛んな、植え継ぎ後二日目にarcAタンパク質の蓄積も最大になることが示された。 parA,parB,parCのオーキシンに関するシス領域をGUSをレポーターとする形質転換タバコの実験系で解析した。点突然変異を導入した解析などの結果から、いずれの場合もオーキシンによる転写の活性化は単一のモチーフによるものではなく、ある程度離れて存在する複数のモチーフの協調作用によることが示された。しかも各遺伝子のオーキシンに関するシス領域にはそれぞれ異なった核タンパク質が結合することを見出した。 parA,parB,parCは同じタバコ葉肉細胞プロトプラストからクローン化されたにもかかわらず、オーキシンに関する転写制御はそれぞれ異なったシス・トランス因子によることが明らかになった。この結果は植物に対するオーキシンの広範な生理作用が複合的な遺伝子発現の制御機構に起因することを予測させるものである。
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