研究課題/領域番号 |
06454013
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鳥山 尚志 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (40013338)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1995年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | カルシウム依存性プロテインキナーゼ / カルシウムイオン / 浸透圧調節 / ドナリエラ / 浸透圧応答性プロテインキナーゼ / エクオリン導入タバコ細胞 / cDNA全塩基配列 / ドナリエラ(Dunaliella) / 膨圧調節 / LAPキナーゼ / HAPキナーゼ |
研究概要 |
ドナリエラ細胞の可溶性画分から、カルシウム依存性プロテインキナーゼ(CDPK)を2万倍に精製し、その酵素学的諸性質を明らかにした。ついで抗CDPK抗体を作出した。この抗体によってベクター・プライマー法によって作製したcDNAライブラリーをスクリーニングして、3つのCDPKcDNAクローンを得た。このうちの1つDPK3をプローブとして全鎖長を含むcDNAを単離し全塩基配列を決定した。これから演繹されたアミノ酸配列はN末端側にキナーゼドメイン、C末端側にカルモデュリン様配列、両者に挟まれて偽基質ドメインを含む典型的なCDPKであることを示した。 ドナリエラに高・低浸透圧ショックを与えると、基質特異性と活性化の時間経過を異にする40-kDaプロテインキナーゼが活性化を受けた。それぞれをHAP・LAPキナーゼと名付けた。これらの活性化は蛋白質リン酸化を介するものであった。この活性化の過程には細胞礎質Ca^<2+>の上昇が推測されたので、エクオリン導入タバコ培養細胞を用いて、その可能性を検討した。タバコ細胞に低浸透圧ショックを与えると、70秒後をピークとする一過的な細胞礎質Ca^<2+>の上昇が観察された。これに引き続いて50,75,80kDaのプロテインキナーゼが活性化された。これらの活性化は蛋白質リン酸化を伴っており、CDPKの関与が示唆された。 汽水産車軸藻シラタマモには抗ドナリエラCDPK抗体と交叉するCDPKが存在する。抗体を細胞礎質に注入した細胞に、低浸透圧ショックを与えると細胞礎質Ca^<2+>の上昇が起こるが、その後の膨圧調節が抑制され、CDPKが膨圧調節に関与していることが示唆された。 このようにCDPKは藻類および高等植物の浸透圧シグナルの伝達と浸透圧調節に、深く関与していることが明らかになった。
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