研究課題/領域番号 |
06454020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物形態・構造
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹井 祥郎 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10129249)
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研究分担者 |
兵藤 晋 東京大学, 教養学部, 助手 (40222244)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 心室性ナトリウム利尿ペプチド / B型ナトリウム利尿ペプチド / C型ナトリウム利尿ペプチド / ウナギ / ウシガエル / 浸透圧調節 / 受容体 / 心房性ナトリウム利尿プペチド / 心室性ナトリウム利尿プペチド / B型ナトリウム利尿プペチド / C型ナトリウム利尿プペチド / ANP / BNP / CNP / 分泌調節 |
研究概要 |
1.ウナギを海水に移したり、高張食塩水を注射して血漿浸透圧を急激に上昇させると、心房性及び心室性ナトリウム利尿ペプチド(ANP、VNP)の血漿濃度が一過性に上昇する。単離した心臓の灌流標本を用いることにより、心筋自身が浸透圧受容体として機能して、浸透圧の上昇を感知してANPやVNPの分泌を調節していることがわかった。さらに、ANPは心房から成熟型として分泌され、VNPは心房と心室双方からプロホルモンとして分泌されていた。一方、ウナギの血液量を生理食塩水で2倍に上げても、血漿ANP及びVNP濃度の上昇は小さかった。従って、ウナギでは哺乳類とは逆に、浸透圧の上昇が血液量の増大より主要な分泌刺激であることがわかった。 2.放射性ヨードで標識したウナギANPを血液中に注射したのち全身オートラジオグラフィーで調べたところ、鰓で特に高濃度にANPが蓄積されていた。放射性リガンド結合実験により鰓のANP受容体の性質を調べたところ、ほとんどの受容体はC型で、淡水ウナギの鰓には少量のB型受容体も存在していた。この結果は、ウナギ鰓におけるB型受容体mRNAの発現が海水適応により減少するという事実と一致する。 3.ANPは、海水ウナギと淡水ウナギ双方で飲水と腸からの水とNaClの吸収を抑制する。また、ANPは海水ウナギでのみ海水適応ホルモンであるコルチゾルの分泌を促進し、尿量を減少させる一方尿中のナトリウム排泄を促進する。従って、ANPはウナギではナトリウムを排泄させるホルモンである。 4.哺乳類や鳥類の心室にはB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が存在し、ウナギやニジマスの心室にはVNPが存在する。半水生である両生類の心室にどちらが存在するかは不明であったが、ウシガエル心室からBNPを単離してそのアミノ酸配列を明らかにした。
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