研究課題/領域番号 |
06454026
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山口 恒夫 岡山大学, 理学部, 教授 (60000816)
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研究分担者 |
岡田 美徳 岡山大学, 理学部, 助手 (10093676)
新井田 昭美 岡山大学, 理学部, 講師 (80033413)
酒井 正樹 岡山大学, 理学部, 教授 (30027502)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 節足動物 / 運動制御系 / 冗長性 / 巨大介在ニューロン / トリガーニューロン / 体平衡制御 / 運動パターンの選択機構 |
研究概要 |
1)ザリガニ脳内ノンスパイキング巨大ニューロン系に関する研究:ノンスパイキング巨大介在ニューロン(NGI)には、複眼からの光感覚入力、平衡胞からの重力感覚入力、歩脚の自己受容器からの機械感覚入力が収斂している。これらの3種の感覚入力間には、序列が存在し、重力感覚入力が存在する条件では、他の感覚入力のNGIに対する刺激効果は抑えられる。また、NGIによって駆動させる眼柄の補償運動のゲインは、歩行などの運動中枢によって支配されている。 2)コオロギの巨大介在ニューロン糸及び行動トリガーニューロンに関す研究: 神経索中の8対の巨大介在ニューロンのうち、背側を走行する4対の巨大介在ニューロン(dGI)はそれぞれ脱分曲電流の注入によって、脚が接地している場合には歩行運動が、脚に空中に浮いている場合には飛翔運動を、脚や体が水に接している場合には遊泳運動を解発する。複数のdGIに同時通電すると、それぞれの刺激効果が加算され、潜時が短縮し、運動の持続時間が延長する。一方、脳内には、肢が接地した状態では歩行運動を、空中に浮いた状態では飛翔運動をそれぞれ解発する18本の行動トリガーニューロンが存在する。神経索の切断実験の結果は、食道下神経節には肢などからの自己受容入力を統合し、感覚入力に適合する運動パターンを選択する神経機構が存在することを示唆する。 3)以上の結果は、節足動物の運動制御系には、冗長性に基づく"false safe"の原則が存在するとともに、"synergic action"による運動の安定制御機構や運動パターンの選択機構が存在することを強く暗示している。
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