研究課題/領域番号 |
06454027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
道端 齊 広島大学, 理学部, 教授 (00111740)
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研究分担者 |
宇山 太郎 広島大学, 理学部, 講師 (60232914)
森山 芳則 広島大学, 理学部, 助教授 (10150658)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 海洋生物 / ホヤ / 金属イオン / バナジウム / 濃縮 / タンパク質 / 濃縮機構 |
研究概要 |
原索動物のホヤは遷移金属元素のバナジウムの高選択的に濃縮していることでよく知られている。これまでバナジウムの濃縮に関与する物質としていくつかの低分子が挙げられてきたが、タンパク質を始めとする高分子の関与についてはほとんど報告がない。ホヤが海水中のバナジウムを高選択的に取り込み濃縮する際の経路を考えると、バナドサイトは濃縮経路の末端に位置する。バナジウムがこの細胞に濃縮されるまでには、エラを通った多くのイオンのなかからバナジウムのみを選択してバナドサイトの細胞膜まで運搬する物質(バナジウムトランスファー)、バナドサイトの細胞膜上でそれを受け取る受容体(バナジウムレセプター)、そしてバナジウムイオンが貫通する膜チャンネル(バナジウムチャンネル)などが必要と思われる。われわれはこれまでに、高濃度のバナジウムを含有するアスキジア科のホヤ、Ascidia sydneiensis sameaの血球細胞から少なくとも4種類(約100kDa,45kDa,12.5kDa)のバナジウム結合タンパク質を得ることに成功した。低分子量のそれについては、アミノ酸の部分配列の決定とモノクローナル抗体の作製に成功した。このタンパク質のアミノ酸の部分配列には、一致する既知のタンパク質のそれが見当たらず、新規のタンパク質と考えられる。抗体を用いた免疫染色から、このタンパク質はバナドサイトの膜上に存在すると考えられる。さらに、このタンパク質1moleあたり約0,5moleのバナジウムが結合していること見出した。現在、このアミノ酸配列に基づきこのタンパク質をコードする遺伝子を探索中である。
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