研究課題/領域番号 |
06454059
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
桜井 宏紀 岐阜大学, 農学部, 教授 (50022827)
|
研究分担者 |
杉本 毅 近畿大学, 農学部, 教授 (20088181)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | アリモドキゾウムシ / ウリミバエ / 不妊化 / ガンマ線照射 / 精子形成 / 卵形成 |
研究概要 |
1.ガンマ線照射によるウリミバエ雌の不妊化の生理機構を光顕と電顕で病理組織学的に検討した。また、ビテロジェニン(Vg)合成に対する照射の影響についても生化学的に検討した。ガンマ線照射により卵原細胞は核濃縮や核融解し、崩壊、凝縮し卵管は空隙化し、雌の不妊化を引き起こした。日令の経過に伴い照射虫の中腸上皮は薄層化し、中腸後端部内には管状の大腸菌類似の微生物が群生した。また、照射虫では正常虫に比べ蛹脂肪体の崩壊と成虫脂肪体の発達が遅延した。しかし、血液タンパクの電気泳動分析では、照射虫の成虫脂肪体でのVg合成は阻害されていなかった。これらの結果から、ガンマ線照射によるウリミバエ雌の不妊化の生理機構と成虫の寿命低下の原因を考察した。 2.アリモドキゾウムシの不妊化の生理機構を組織学的に検討した。ガンマ線照射成虫では精子形成過程が撹乱されて、精原・精母細胞の崩壊・退化し、貯精嚢中の精子の著しい減少と、残存する精子の形態の異常化が観察された。一方、雌成虫では卵巣発育が抑制されて卵原細胞および卵細胞の顕著な核濃縮と退化がみられた。また、照射個体では消化管における消化・排泄の機能障害を示唆する組織像が観察され、このことが照射個体における寿命低下の一因なっていることが推測された。以上の結果から、アリモドキゾウムシの不妊化のための最適な照射線量と照射時期について考察を加えた。 3.アリモドキゾウムシの羽化後の交尾、産卵活動時期を調査し繁殖特性を明らかにした。成虫は羽化1週間後に交尾可能となり、雄は生涯に多数回交尾するのに対し、雌は交尾後雄に対する誘因性が失われ交尾の機会は野外では殆どみられなかった。雌は生涯平均64個産卵し、産卵数は低かった。また、イモのサイズに対する雌の産卵傾向を調査した結果、産卵雄選択性は認められず、イモのサイズに偏りなく産卵した。
|