研究課題/領域番号 |
06454088
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宝月 岱造 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10107170)
|
研究分担者 |
福田 健二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (30208954)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
|
キーワード | 病徴進展の素過程 / 抵抗性樹種 / 誘導抵抗性 / 感染初期 / 相互作用物質 / フィルター / 幼虫の齢 / 線虫の増殖 / 物質的相互作用 / 皮層樹脂道 / エピセリウム細胞の破壊 / 柔組織の細胞死 / 剥離樹皮片 |
研究概要 |
本研究では、感染初期における諸素過程に焦点を絞り、材線虫病抵抗性がどの素過程の違いに由来するのかを明らかにすると同時に、各素過程で宿主と線虫との間にどのような物質的相互作用があるかを明らかにすることを目的にした。具体的には、こうした観点から、これまでに我々が確立したin vitroの感染系を用いて、線虫が作る細胞毒性物質の存在を検討した。また、抵抗性機構に関連して、弱毒線虫の前接種による誘導抵抗性についても検討した。その結果、以下の成果が得られた。 (1)強病原性線虫のクロマツ皮層細胞に対する殺傷能力と、皮層樹脂道の感染に対する役割を直接的に検証できる実験系を、樹皮の一部を削除した枝片および剥離した樹皮片を用いて確立した。また、その実験系を用いて、初期感染過程における樹脂道の重要性を明らかにした。(2)マツ組織と線虫の間に線虫を通さないフィルターを挟み、マツ組織細胞の死を調べる実験を行い、成虫及び齢の高い幼虫は毒性物質を出さないが、齢の低い幼虫は毒性物質を生産、分泌することを明らかにした。(3)クロマツと材線虫病抵抗性マツの切り枝に強病原性線虫を接種し、切り枝レベルでの材線虫病抵抗性を確認した。また、クロマツと抵抗性マツの樹皮の一部を削除した枝片および剥離樹皮片に強病原性線虫を接種する実験を行い、樹種による組織への線虫の侵入に対する抵抗性の違いが個々の細胞の抵抗性の違いに由来することを明らかにした。(4)アカマツに弱病原性線虫を前接種することにより強病原性線虫による枯死率が低下する、いわゆる誘導抵抗性現象を確認し、そのときに接種した苗の解剖学的検討を行った。その結果、前接種により線虫の増殖が抑えられ、病徴が形成層にまで達しなくなることを明らかにした。
|