研究課題/領域番号 |
06454092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
有光 一登 高知大学, 農学部, 教授 (20253338)
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研究分担者 |
塚本 次郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60253340)
西村 武二 高知大学, 農学部, 助教授 (30036743)
池本 彰夫 高知大学, 農学部, 教授 (00093948)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 集約施業 / 粗放施業 / 林分構造 / 形質 / 侵食強度指数 / 地表面被度 / 土壌孔隙 / 土壌保水力 / 地表面被覆 / 土壌孔隙組成 / 土壌透水性 / 土壌侵食 |
研究概要 |
ヒノキ一斉人工林で、ほぼ同齢同一立地条件にある粗放施業林分と集約施業林分を、立地条件別に複数箇所選定して、林分構造・形質の調査、林床植生・堆積腐植・地表被覆状況・土壌侵食状況の調査、表層土壌の理化学性の調査を行って両者を比較した。 1.林分の階層構造は、高齢林では集約施業林分で2層構造、粗放施業林分では単層構造で、前者では亜高木層に広葉樹の侵入がみられた。一方、若齢林では全ての調査地で集約・粗放を問わず単一の葉層であった。粗放施業林分では枝下高が高く、林分材積、単木材積ともに粗放施業林分が多い。林床植生は林内光環境を反映して集約施業林分の方が陽性のものが多い。 2.急傾斜地のヒノキ若齢林では、Ao層被度、コケ被度などの地表面の状態と土壌侵食の強度との間に密接な関係が認められた。土壌侵食の強度を直接反映すると考えられる根系被度、土柱個数、段差面積を指数化したものの合計値として侵食強度を算出した。土壌侵食強度の大小に基づいて、土壌侵食防止の観点からみた粗放施業の許容限度について次のことが指摘できる。(1)急傾斜地のヒノキ若齢林での粗放施業は望ましくない。(2)スギ林はヒノキ林に比べて粗放施策に対する許容度が高い。(3)ヒノキ林でもスギ林とのモザイク状の林分造成により、粗放施業への許容度を高めることができる。 3.表層土壌は、粗放施業林分では集約施業林分に比べて全孔隙量が少なく、粗孔隙量も少ない。最大容水量や透水量も少ない。しかし、その違いは大きいものではなく、下層土では差がみられない。高齢林の調査結果からすると若齢時の粗放施業が高齢に達するまで持続したとしても、下層にまで及ぶ土壌の劣化は生じないものとみられる。土壌のごく最表層の理化学性の微細な違いを的確に把握する手法を開発する必要がある。
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