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魚の品質保持に及ぼすn-6系不飽和脂肪酸投与の影響

研究課題

研究課題/領域番号 06454102
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 水産化学
研究機関東京水産大学

研究代表者

小泉 千秋  東京水産大学, 水産学部, 教授 (80017045)

研究分担者 潮 秀樹  東京水産大学, 水産学部, 助手 (50251682)
研究期間 (年度) 1994 – 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
キーワード骨格筋 / カルシウムイオン / n-6系脂肪酸 / ニジマス / 筋小胞体 / ATP / 品質保持 / n-6系不飽和脂肪酸 / n-3系不飽和脂肪酸 / 筋細胞内Ca濃度 / リン脂質
研究概要

ニジマスにn-3あるいはn-6系脂肪酸に富む飼料を与え,筋細胞内のCa^<2+>濃度を支配する筋小胞体の能力を制御し,致死後の魚体を安静化することによって,魚肉の鮮度などの品質の改善を計ることを目的として研究を行った.以下はその成果の概要である.
1.1カ月間の試験飼育の後,筋肉の脂肪酸組成を調べたところ,中性脂質およびホスファチジルコリン(PC)画分の脂肪酸組成は飼料脂質の脂肪酸組成に強く影響された.また,影響は小さいものの,ホスファチジルエタノールアミン(PE)画分も,n-3系飼料ではn-3系に富み,n-6系飼料ではn-6系脂肪酸に富むという結果が得られた.これらの結果により,中性脂質およびPCにおいて飼料による脂肪酸の交換が盛んであることが確認された.
2.筋肉中の生体膜の大部分を占める筋小胞体膜を単離してその脂肪酸組成を調べたところ,一ヶ月程度の飼育期間でも飼料によって筋小胞体の脂肪酸組成を制御できることが明らかとなった.
3.氷蔵で貯蔵実験を行ったところ,n-6系投与区よりn-3系投与区で見かけ上のATPの減少が緩やかで,K値の上昇も抑制された.また,乳酸の蓄積もn-3系投与群で遅延された.こうした従来の鮮度判定法では,n-3系飼料の投与がニジマスの鮮度保持に有効である可能性が示唆された.一方,クレアチンリン酸の減少速度と乳酸の蓄積速度から算出したATPの分解速度は,n-6系脂肪酸投与区で小さくなった.
4.EFA欠乏あるいはn-6系脂肪酸に富む飼料を投与したニジマスから得られた筋小胞体のCa^<2+>ATPase活性はn-3脂肪酸投与区のものより高かった.
以上の結果から,n-6系脂肪酸投与により死後の筋細胞内Ca^<2+>濃度の上昇は抑制されるものの,その他の因子によって見かけ上のATPの減少や乳酸の蓄積などの死後変化が促進されるものと考えられた.しかしながら,本来のATPの分解は抑えられることが明らかとなった.今後,Ca^<2+>以外の死後変化促進因子を明らかにする必要がある.

報告書

(3件)
  • 1995 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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