研究課題/領域番号 |
06454118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 衆介 東北大学, 農学部, 助教授 (80136796)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 子牛 / 常同行動 / 舌遊び行動 / ストレス / 家畜福祉 / 吸乳行動 / コルチゾール / 摂食行動 / 吸乳時間 / 摂食時間 / 心拍数 / 個体差 / オープンフィールドテスト / 驚愕刺激 / ウシ / 異常行動 / 粗飼料 |
研究概要 |
家畜福祉レベルの指標として注目されてきている常同行動の調査を行った。人工哺乳黒毛和種子牛は模擬舌遊び行動を10日齢から始め、早期離乳(42日齢)後にピークとなり、その時点で同時に舌遊び行動も出現させた。また、摂食行動が盛んとなる150日齢にも増加傾向となった。吸乳行動や摂食行動の抑制が、舌遊び行動の誘発要因として実験的にも推定された。補助乳首の提供、粗飼料細切、飼育方式(離乳後の群飼・単飼)の効果を検討した結果、社会的探査も含む探査行動、吸乳行動、ならびに摂食行動の抑制の総合的効果が舌遊び行動の誘発要因と考えられた。乳首形状の違いにより吸乳時間を変え、加えて粗飼料制限(飽食の半分量)の効果を検討した。吸乳時間を伸ばした場合、吸乳前に高まった血中cortisolレベルは吸乳後急激に低下し、吸乳時間制限のストレス性が明らかとなった。吸乳時間制限区では、舌遊び・模擬舌遊び行動は多くなる傾向にあった。粗飼料飽食区を半量区に、半量区を飽食区にした結果、舌遊び・模擬舌遊び行動は前者では有意に増加し、粗飼料制限の効果が明らかとなった。品種間差を黒毛和種、ホルスタイン種、それらの雑種で比較した結果、前二者で舌遊び行動が出現し、個体差が大きく、しかも2極化(多発牛、少発牛)する傾向となった。多発牛は通常飼育下では探査行動が多く、横臥行動が短い傾向を示し、新奇環境下では新奇環境への侵入までの時間が短く、探査行動が多く、活動的で積極的な性質を有していた。驚愕刺激を与えた結果、心拍反応が早く、しかも急激に低下する傾向を示し、交感神経系の反応性の高さも示した。舌遊び行動の前後および最中に心拍数を計測した結果、実行中に有意に低下し、実行後も低下し続ける個体も存在した。今回明らかとなった心拍数の低下は、ヒトの場合には、安寧をもたらす減少程度であり、ウシにおいても舌遊び行動の安寧効果が示唆された。
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