研究課題/領域番号 |
06454129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小野 憲一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
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研究分担者 |
松木 直章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40251417)
稲葉 睦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00183179)
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
長谷川 篤彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90011923)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1994年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | バベシア感染症 / Babesia microti / Babesia rodhaini / 感染防御機構 / 培養法 / ヘルパーT細胞 / 糖代謝特性 / インターロイキン12 / 感染防御反応 / サイトカイン / Interleukin-12(IL-12) / バベシア症 / 細胞性免疫 / ヘルパーI型細胞 / ヘルパーII型細胞 / マウス |
研究概要 |
平成6年度から平成8年度の3年間にわたり、バベシア原虫の糖代謝特性ならびにマウスバベシア症の感染防御機構について感染経過の異なる2株を総合的に比較検討した。 1.代謝特性に関する検討:糖代謝関連酵素活性をBabesia microti(BM)とBabesia rodhaini(BR)を比較したところBMは好気的な、BRは嫌気的な代謝を行っていることが明らかとなった。また、in vitroの培養系を確立し、この培養系を用いて2株間の代謝特性の相違を種々のミトコンドリア阻害剤を用いて検討した結果、BMおよびBRともにミトコンドリアは他のほ乳類の細胞と同様な呼吸鎖活性、リン酸化経路を有し、ミトコンドリアは両虫体の生存に必要なことが判明した。しかしながら、阻害剤に対する感受性はBRに比較してBMで高く、BMにおけるミトコンドリアの相対的な役割の高いことが明らかとなった。 2.宿主の免疫応答に関する検討:BMならびにBR感染初期の細胞性免疫応答におけるLyt2+およびL3T4+T細胞の役割をそれぞれを枯渇させたマウスを用いて検討した結果、Lyt2+枯渇マウスはBMに対して抵抗性、BR感染に高感受性を示し、L3T4+T細胞枯渇マウスはBMに高感受性、BRに耐性を示し、両原虫間で感染初期の免疫応答における宿主ヘルパーT細胞の挙動が異なっていた。そこで、感染初期のL3T4+T細胞についてIFN-γ mRNA、あるいはIL-4mRNAの発現を検討したところ、BMではIFN-γが、BRではIL-4の発現が優位で、BMではTh1が、BRではTh2が誘導されると考えられた。さらに、Th1とTh2それぞれの分化誘導に関与するIL-12とIL-10の動態をmRNAの発現を指標に検討した結果、IL-10mRNAの発現に差は認められなかったが、IL-12mRNAはBM感染ではBRに比較し早期に発現し、BMの感染初期に認められるTh1への分化誘導がIL-12の早期発現に関連することが明らかとなった。 3.膜構造蛋白に関する検討:IL-12mRNA産生を指標にBMならびにBRのスーパー抗原と考えられる膜蛋白を精製中である。
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