研究課題/領域番号 |
06454146
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 東北大学 (1995) 京都大学 (1994) |
研究代表者 |
八尾 寛 東北大学, 医学部, 教授 (00144353)
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研究分担者 |
遠藤 克昭 京都大学, 医学部, 助手 (30025613)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1995年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | シナプス / シナプス前終末 / 開口分泌 / カルシウム / アドレナリン受容体 / ノルアドレナリン / ニューロモジュレータ / 毛様体神経節 / 細胞内カルシウム / 蛍光カルシウム指示薬 / fura-2 / 開口放出 / 自律神経 / シナプス小胞 |
研究概要 |
ニワトリ胚毛様体神経節の巨大シナプス前終末にたいし、ノルアドレナリンは、シナプス後細胞のアセチルコリン感受性を変えることなく、シナプス前終末からの伝達物質放出を促進する。この作用は、phentolamineやpropranololにより阻害されない。一方、ノルアドレナリンと同様の促進作用がアドレナリンやドーパミンにより認められた。しかし、normetanephrine, phenylephine, isoproterenolに効果は認められなかった。シナプス伝達がclonidineにより抑制されたので、α_2アドレナリン受容体を介する抑制機序があることが示唆される。以上の薬理学的性質から、伝達物質放出促進作用は、αアドレナリン受容体ともβアドレナリン受容体とも異なる未知の受容体を介することが示された。活動電位にともなうCa^<2+>上昇はノルアドレナリンにより抑制され、この抑制はphentolamineやyohimbineにより拮抗された。すなわちα_2アドレナリン受容体により活動電位依存性Ca^<2+>上昇が減弱する。しかし、α_2アドレナリン受容体抑制下においては、静止Ca^<2+>、活動電位依存性Ca^<2+>上昇ともに、ノルアドレナリンによる変化が認められなかった。ノルアドレナリンは、[Ca^<2+>]_0-放出関係を、最大値を変化させることなく、50%飽和Ca^<2+>濃度が減少するようにシフトさせる。すなわち、ノルアドレナリンは、開口分泌のCa^<2+>依存性メカニズムに作用し、そのCa^<2+>感受性を増大させる。しかし、ノルアドレナリンの増強作用は、先行する活動電位の有無に依存しないことから、シナプス小胞のリサイクル、分配、係留は修飾部位になり得ない。すなわち、シナプス小胞融合のCa^<2+>感受性が増大することがそのメカニズムである。細胞内Ca^<2+>センサー近傍の分子が修飾されることが強く示唆される。
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