研究課題/領域番号 |
06454190
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松澤 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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研究分担者 |
渡辺 智正 北海道大学, 獣医学部, 教授 (10100174)
若林 とも 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90092379)
木村 幹男 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90114462)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | マウスモデル / lpr^<cg>遺伝子 / MRL背景 / 自己免疫病 / コンジェニック / 糸球体腎炎 / 血管炎 / リンパ筋腫脹 / リンパ節腫脹 / gld遺伝子 / 相補作用 |
研究概要 |
CBA/KlJms-lpr^<cg>/lpr^<cg>(CBA-lpr^<cg>)マウスのMRL/MpJ(MRL)への12回目の戻し交配で得られた仔同士の交配により得られた子孫から1pr^<cg>ホモ個体を選択してMRL-lpr^<cg>/lpr^<cg>(MRL-1pr^<cg>)コンジェニックマウスを完成した。5月齢の観察では、リンパ器官の腫脹は、皮下リンパ節(LN):2920mg,腸管膜LN:2120mg,脾臓:760mgでMRL-lpr/lpr(MRL-lpr)に比べて腫脹がやや重症なようであった。腫脹を構成するリンパ球はlprに特有なCD4^-8^-,Thy-1^+,B220細胞であった。≧300mg/dlの蛋白尿が22%で、CBA-lpr^<cg>で見られなかったような重症な糸球体腎炎と肉芽腫様動脈炎がそれぞれ21と23%で認められた。腎炎と血管炎の発生率はMRL-lprに比べてやや低かった。腎臓へのC3沈着は88%で見られ、MRL-lprとほぼ同等であった。電顕でも腎臓への沈着物が確認された。血中免疫複合体はCBA-lpr^<cg>より遙かに高く、MRL-lprよりやや高かった。血中のlg量及び抗一本鎖DNA抗体量がlgMよりもlgGクラスで有意に高く、MRL-lprよりもやや高かった。総合的に判断して、lpr^<cg>は多くの点でMRL-lprと類似し、有用な自己免疫病のモデルとなりえる。MRL-lpr^<cg>/+(ヘテロ)マウスではCD4^-8^-T細胞によるLN腫脹が全く起こらないにも拘らず、明瞭な糸球体腎炎が50%で見られ、発生率がMRL-lprに匹敵していた。同時に血中IgG量の上昇と高頻度の腎臓へのC3沈着が見られた。腎炎は異常CD4^-8^-T細胞と直接関係ないことが示唆された。MOL-MITを用いた亜種間交配法により、米国の研究者との共同研究でMRLで見出したlpr腎炎を修飾する量的形質遺伝子Lrdm1とlmdr2が1pr^<cg>に対しても同様の機能を示すかを、確認しつつある。CBA-lpr^<cg>及びC3H/Hej(C3H)-lpr/lprでLN腫脹を構成するCD4^-8^-T細胞がFasリガンドを高発現していることを証明し、C3H-gld/gld,lpr/lprダブルミュータントを作出し、正常C3Hへの骨髄移植によりlpr骨髄移植によるLN wasting病がこのFasリガンドによって引き起こされることを明らかにした。
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