研究課題/領域番号 |
06454201
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (00051847)
|
研究分担者 |
奥沢 英一 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20177166)
小林 正規 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70112688)
田辺 将信 慶応義塾大学, 医学部, 専任講師 (80051928)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 赤痢アメーバ / 病原性 / 無菌培養 / E. histolytica / E. dispar / E.histolytica / E.dispar / HIV / AIDS |
研究概要 |
(1)Entamoeba disparの無菌培養系の確立:H_2O_2処理したCrithidia fasciculataのE. disparのin vitro growthに対する促進作用は明確になったが、NMRによって検索するとまだアミノ酸やカルボン酸のシグナルが見られた。一方56℃、30分処理した後にH_2O_2処理するとシグナルが全く消失した。このように処理したCrithidiaも十分にE. disperに対する増殖促進作用があった。現在このように処理したCrithidiaを除いてもfructose、L-glutamateを添加したBCSI-Sにて完全な無菌培養が出来るようになっている。 (2)E. histolytica、E. disparの微細構造に関する検討:上記のように処理したCrithidia存在下での両種の微細構造ではグリコーゲン顆粒の存在様態に大きな差異があることが判明した。すなわちE. disparでは多量の顆粒が細胞質の末梢側に存在し、中心に未発達の食胞などが存在した。一方E. histolyticaでは細胞質に一様に分布していた。 (3)生化学的差異の検討:まずグリコーゲン量に関して両者に明瞭な差異があるのが分かった。蛋白量あたりに換算すると7〜8倍のグリコーゲン量をE. disparは有していた。グルコースのリン酸化に関与する酸素の性状も異なっている事も判明している。 (4)遺伝子レベルの差異に関する検討:今回の研究でL-cystein synthaseの遺伝子をクローニングし、その一次構造を決定した。この過程でこの遺伝子はL-cystein synthase同様慢性腸炎関連抗原であるNADP^+-alcohol dehydrogenaseの遺伝子と隣接して存在している事が判明した。この遺伝子はE. disparにも見いだされたが、興味あることにm-RNAを検出できなかった。この点は今後の研究に待ちたい。 (5)E. disparの病原性、毒力の検討:無菌培養株をハムスターの肝に注射したが、何ら組織学的変化を示さなかった。免疫不全の状態でも病的変化は認めなかった。
|