研究課題/領域番号 |
06454209
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 愛吉 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10133076)
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研究分担者 |
吉倉 廣 東京大学, 医学部, 教授 (60012754)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | レトロウイルス / マウス白血病ウイルス / 宿主因子 / Fv-1 |
研究概要 |
Fv-1遺伝子による増殖抑制下でBトロピックMLVを培養した場合、理論的にはB→NB、B→Nの2通りのエスケープが可能なはずであるにもかかわらず、B→NBというエスケープしか起こらないとされてきた。本研究ではB→NBのエスケープが点変異によること、さらにB→Nの変化も組み換えにより起こり得ること、を明らかにした。 我々の教室で分離されたエスケープ変異体(NBトロピックMLV)のキャプシド遺伝子部分をPCR法で増幅し、塩基配列を決定した。エスケープ変異体では313番目の塩基がG→Aへと変異していた。この変異はキャプシドの105番目のアミノ酸をアスパラギン酸からアスパラギンへと置換し、しかもその置換は既に同定されているNまたはBの決定基(キャプシド蛋白質p30の109番目と110番目の2アミノ酸)の外に存在していた。 大腸菌由来のsupF遺伝子をLTR内にマーカーとして持つ組み換えBトロピックMLV(BMoF)をFv-1^<b/b>のYH-7細胞にトランスフェクションして得たウイルスを、YH-7細胞で4週間培養した。後者をNIH3T3細胞(Fv-1^<n/n>)に感染させたところ早期にNトロピックMLVが出現した。このNトロピックMLVではトロピズム決定部位6塩基中4塩基がB-MoFと異なっていた。YH-7細胞のゲノム中には内在性ウイルス由来のNトロピック配列を確認した。エスケープ変異体であるNトロピックMLVをNIH3T3細胞に感染させ、複製中間体を抽出しサザンハイブリダイゼーション法を行ったところ、同一分子上にsupF遺伝子とNトロピックの配列の両方を持つころがわかった。すなわち、外来のB-MoFとYH-7細胞内在性ウイルスとの間で、組み換えが起こったと考えられた。
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