研究課題/領域番号 |
06454215
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
斉藤 隆 千葉大学, 医学部, 教授 (50205655)
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研究分担者 |
宮武 昌一郎 (宮武 晶一郎) 千葉大学, 医学部, 助手 (30239420)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1995年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | T細胞レセプター / CD3シグナルモチーフ / CD3結合分子 / T細胞分化 / 細胞増殖阻害 / トポイソメラーゼII / ノックアウトマウス / 細胞内シグナル伝達 / トポイソメラーゼllβ / G1アレスト / サイクリンD3 / アビディティーモデル / 活性化モチーフ / CD3ε / クローニング / 蛋白プローブ / トポイソメラーゼ / λgt11 |
研究概要 |
T細胞レセプターCD3複合体を介するシグナル伝達系を明らかにし、そのTCRシグナルが細胞分化や増殖を調節する機構を解明することを目指した。TCRを介するシグナル伝達系が、CD3ζと他のCD3分子の2つの異なるユニットに機能的に分かれることを明らかにした。生体内でも、ζ鎖ITAMを欠失した変異ζ鎖を有するマウスを樹立し解析した結果、ζ鎖を介するシグナルが未熟胸腺細胞の分化に重要であることが判明した。この両者のシグナル伝達系を明らかにするため、一方では活性化に伴ってリン酸化される蛋白の同定、他方では、ζやεに直接会合する分子のクローニングを行った。ζ鎖の構造に依存してリン酸化される90kd蛋白を同定した。また、west-western法を用いて3個の新たなCD3ε結合分子をクローニングした。その1つはトポイソメラーゼIIβであった。CD3ε、ζが核分画にも存在し、トポIIβと会合することを明らかにし、CD3εにのみ特異性を有する結合分子も得られた。また、リン酸化ITAMに会合する分子をクローニングする目的で、Lckでリン酸化したプローブを用いる試みや、エピトープを付加したリン酸化ペプチドを用いる試みは成功に至らなかった。これらは引き続き改良する課題としたい。TCRシグナルによる分化・増殖の解析として、TCR刺激による増殖抑制の機構およびT細胞分化における選択機構を解析した。増殖しているT細胞クローンは、ハイブリドーマ同様に、TCR刺激によってG1アレストが誘導され、サイクリンD3の減少がその主原因であることを明らかにした。IL-2による増殖シグナルの伝達において、TCRシグナルは、Jak3の発現を低下させることが判明し、IL-2の不応答性が誘導されている可能性を示した。また、分化の制御については、雄抗原特異的TCRトランスジェニックとζ鎖欠損マウスとの交配で得られたTCR発現とシグナル伝達能の低いマウスを作成し、その解析からTCRの発現レベルとそれに伴うシグナルの強さによって、ポジティブ・ネガティブ選択が調節されていることを明らかにした。
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