研究課題/領域番号 |
06454221
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡邊 武 (渡辺 武 / 渡邉 武) 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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研究分担者 |
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 抗原受容体 / 情報伝達 / チロシンキナーゼ / 遺伝子標的法 / Lynキナーゼ / HS1 / アポトーシス / 自己免疫病 / シグナル伝達 / 非受容体型チロシンキナーゼ / HS1タンパク / Two-hybrid-system / チロシンリン酸化 / リンパ球分化 / 免疫異常症 |
研究概要 |
B細胞抗原受容体からの情報伝達に関与すると考えられているsrc型チロシンキナーゼLynの遺伝子欠損マウス及びその基質の一つであるHS1タンパクの欠損マウスを作製し、これらジーンノックアウトマウスの免疫学的異常を解析した。Lyn欠損マウスでは未熟B細胞から成熟B細胞への分化段階に障害がみられ、末梢リンパ組織でのB細胞の減少がみられ、さらに抗IgM抗体架橋による刺激、CD40刺激。、LPS刺激に対する増殖反応の著明な低下がみられた。しかし、一方で大量の形質細胞の浸潤が脾、リンパ節にみられ、脾腫、リンパ節肥大を呈すると共に高IgM血症を呈し、自己抗体を産生するようになった。3〜5カ月経過すると免疫複合体沈着による糸球体腎炎の発症がみられた。これらの結果は、非受容体型チロシンキナーゼの異常が自己免疫病発症の要因の一つになる可能性を示唆している。Lyn欠損マウスでは抗IgM抗体刺激後に、PLCγ2, Vav, P13K, Syk, HS1などのチロシンリン酸化が生じないことがわかった。一方、HS1欠損マウスでは抗IgM抗体刺激、抗CD3抗体刺激で誘導される細胞増殖の低下がみられ、さらに、HS1欠損B細胞は抗原受容体架橋によって誘導されるアポトーシスに抵抗性を示した。即ち、HS1はLynキナーゼの基質として働き、抗原受容体と抗原の結合の情報を細胞内に伝達する役割を果たしていると考えられた。以上の結果から、Lyn-HS1は、抗原受容体からの情報伝達に重要な機能を果たしていることが明らかとなった。さらにHS1に会合する新たな分子HAX-1を単離した。HAX-1は分子量34kDaの核タンパクである。現在、HAX-1の機能について解析中である。
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