研究課題/領域番号 |
06454243
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 能行 (渡邊 能行) 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (00191809)
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研究分担者 |
川井 啓市 京都府立医科大学, 医学部, 名誉教授 (50079745)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 胃癌 / 萎縮性胃炎 / ヘリコバクタ・ピロリ感染 / 疫学 / ペプシノゲンI / II比 / ヘリコバクター・ピロリ抗体 |
研究概要 |
1987年に京都府下の2町で基本健康診査を受診した男性1011人、女性1947人、合計2858人の血清ペプシノゲンI、ヘプシノゲンII及び抗ヘリコバクターピロリ抗体(Ig-G抗体)の測定をした。このコホート集団を1995年6月30日まで約7.5年追跡し、胃癌罹患者45人を同定した。この45人と同性で年齢が1歳以内で一致する者を同じ町の1987年の基本健康診査受診者より無作為に胃癌1症例に対して5人ずつ選んで、多変量解析のconditional logistic regression analysisによるnested case-control studyとして解析した。その結果、オッズ比は、ヘリコバクタ・ピロリ感染単独では3.38、萎縮性胃炎では4.01といずれも有意に胃癌に対するリスクを上げていた。上記の要因を同時に同じ多変量解析を用いて解析したところ、オッズ比(95%信頼区間)は、ヘリコバクタ・ピロリ感染では1.84(0.59-5.72)と有意性が消えたのに対して、萎縮性胃炎では3.38(1.54-7.42)と依然有意であった。上記7.5年の追跡期間に2858人のコホート集団で死亡した者は265人、転出した者は46人あった。この間の総観察人年は21007人年であった。コックスの比例ハザード分析により性・年齢を補正してコホート研究として解析したところ、単変量のハザード比はヘリコバクタ・ピロリ感染では3.08、萎縮性胃炎では4.51といずれも有意に胃癌に対するリスクを上げていた。これらの要因を同じ方法で多変量解析として解析したところ、ハザード比(95%信頼区間)は、ヘリコバクタ・ピロリ感染では1.56(0.52-4.67)と有意性が消えたのに対して、萎縮性胃炎では4.01(1.94-8.29)と依然有意であった。以上のようにコホート研究でもnested case-control studyと同様の結果であった。ヘリコバクタ・ピロリ感染は萎縮性胃炎の原因でもあるとされているので、これらの結果はヘリコバクタ・ピロリ感染の胃癌に対するリスクが萎縮性胃炎を介した間接的なものであることを示唆しているものと考えられる。
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