配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
平成7年度までに収集したデータをもとに、川崎病既往者集団の死亡率を全国の死亡率(人口動態統計)と比較した.まず,対象者各人について観察開始日(初診日)から観察終了日(死亡日,追跡不能者は最終生存確認日,その他の者は平成4年末日)までの観察期間を計算した.これに,対象者の性・年齢・暦年ごとの人口動態統計による死亡率を乗じて期待死亡数を算出した.最後に観察死亡数を期待死亡数で除した標準化死亡比(SMR)とその95%信頼区間を計算し,川崎病既往群と全国の死亡率の比較を行った. コホートを構成する集団の初診時の性・年齢分布は,川崎病全国調査で報告されているわが国の川崎病患者の疫学像とほぼ一致していた.全観察期間の標準化死亡比は全体で1.56(95%信頼区間:0.94-2.43),男で1.78(95%信頼区間0.97-2.99),女で1.16(95%信頼区間0.38-2.71)であった.初診後2か月以内の急性期では全体で8.47(95%信頼区間:3.65-16.69),男で10.12(95%信頼区間:3.72-22.07),女で5.69(0.69-20.53)と全国と比較して死亡率が上昇していたが,これ以降では全体で0.98(95%信頼区間:0.49-1.75),男で1.10(95%信頼区間:0.47-2.16),女で0.76(95%信頼区間:0.16-2.22)であり,急性期以降では特に一般人口と比較して高い傾向は見られなかった. 急性期の死亡は8例で,事故で死亡した1例を除く7例が川崎病による死亡であった.急性期以降の死亡では,川崎病による心後遺症によるもの2例,循環器系の先天異常によるもの2例,血液・免疫系の悪性新生物によるもの2例などが死亡の原因となっていた.また,水泳中の溺死が1例あるが,剖検所見が死亡診断書に記載されていないため,単なる溺死なのか,川崎病心後遺症による障害が水泳中に発生したのかは,明らかではない.
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