配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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研究概要 |
ヒト肝cDNAライブラリーよりPCR法を用いてヒトアシアロ糖蛋白受容体(h-ASGPR)蛋白をコードする2種のh-ASGPRcDNAクローンを得た.これらのクローンがコードするアミノ酸配列は既報のものと同一であった(h-ASGPR H1およびL-H2).これら2種のcDNAクローンを用いてリコンビナント抗原を発現させることに成功した.大腸菌由来のリコンビナント抗原をウサギに免疫し,h-ASGPR H1あるいはL-H2に特異的な抗h-ASGPR抗体を得た.大腸菌リコンビナントh-ASGPR蛋白を精製し,精製抗原をプレートに固相化し、酵素抗体法により抗h-ASGPR抗体検出を試みた.自己免疫性肝炎・原発性胆汁性肝硬変・アルコール性肝疾患・C型慢性肝炎・B型慢性肝炎・全身性エリテマトーデス患者血清中の抗h-ASGPR抗体の測定を行ったところ,自己免疫性肝炎とC型慢性肝炎でOD値の高い症例を多く認めた.自己免疫性肝炎例のOD値とヒト肝から抽出精製した抗原を用いた測定法による抗ASGPR抗体価との間には良い相関が認められた.また,h-ASGPRの細胞外領域と細胞内領域の大腸菌リコンビナント蛋白を個々に発現,精製したものを用いて、酵素抗体法によるh-ASGPRに対する抗体の測定を試みた.自己免疫性肝炎患者血清の細胞外領域h-ASGPR抗原に対する反応性はh-ASGPRの全長蛋白を抗原とした場合と同様であり,主要な抗体エピトープは細胞外領域に存在することが示唆された.h-ASGPRの全長リコンビナント蛋白を抗原として酵素抗体法によるh-ASGPR抗体の測定を行った成績では自己免疫性肝炎とC型慢性肝炎に高反応性がみられたが、細胞外領域を抗原とした場合は、自己免疫性肝炎以外の疾患の陽性率は低下し特異性がより高まった.自己免疫性肝炎患者末血からリンパ球を分離し,リコンビナントh-ASGPR抗原を用いてリンパ球刺激試験を行った結果,1例にstimulation indexが4と比較的高値を認め,h-ASGPRに反応するリンパ球の存在が示唆された。
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