研究課題/領域番号 |
06454262
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 紀夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00144478)
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研究分担者 |
萩原 秀紀 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
三田 英治 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
竹原 徹郎 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部, 助手 (70214286)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | in vitro遺伝子導入 / in vivo遺伝子導入 / アシアロ糖タンパク / 陽電荷リポソーム / クロロキン / carrier-DNA比 / 遺伝子治療 / 肝特異的遺伝子導入 / アンチセンスDNA / ウイルス肝炎 / アシアログリコプロテイン / βガラクトシダーゼ / HcpG2 / 肝細胞 |
研究概要 |
アシアロ糖タンパク法の検討 1)アシアロ糖タンパク法ではpoly-L-lysineを架橋し精製したものをcarrierとしたcarrier-DNA complexを作製するが、in vitroでの遺伝子導入効率をcarrier-DNA比を変えて検討した。その結果、肝癌由来の細胞株であるHepG2を用いたin vitroの系では、carrier-DNA比が480:1の場合に最も高い遺伝子導入効率を示した。従来の行われているようなgel retardation assayで決定する効率に比べ約10倍も導入効率は高かった。 2)Iysosomal enzyme inhibitorであるクロロキンを添加した場合の導入効率への影響も解析した。HepG2を使ったin vitroでの検討で、50mMのクロロキンは無添加時に比べ遺伝子導入効率を22倍増加させた。その結果、50mMのクロロキン存在下ではHepG2細胞の約3.0%に導入遺伝子の発現を認めた。 3)マウスへのin vivoにおける遺伝子導入を^<32>P標識したDNAを用い検討したところ、尾静脈からの静注10分後の時点ですでに85%以上が肝臓に集積していた。また、carrier-^<35>S標識DNAを静注後の肝組織でのmicroautoradiographyではcomplexが肝細胞に特異的に集積していた。 4)in vivoにおける投与経路と導入効率の差異をマウスを使って検討した。投与経路として尾静脈より投与する方法と開腹下に門脈より投与する方法を検討した。その結果、経静脈的に比べ経門脈的に投与した方が有意に高い導入効率を示した。 5)マウスへの遺伝子導入では、C型肝炎ウイルスのコアタンパクの発現ベクターやβ-ガラクトシダーゼの発現ベクターも試みたが、すべて導入に成功した。 陽電荷リポソーム法の検討 6)陽電荷リポソームを用いた遺伝子導入法も検討した。陽電荷リポソームを用いた肝臓への導入法は従来経門脈的もしくは直接肝臓に注入する方法がとられていたが、経胆管的な導入効率を解析した。陽電荷リポソーム-DNA complexをラットの胆管より逆行性に肝内に注入し、胆管を90分間結紮後これを解除する方法を用いたところ、遺伝子発現が1日目から1週間後まで観察された。 7)陽電荷リポソーム法の遺伝子発現は胆管上皮には認められず、肝細胞にのみ観察された。 8)陽電荷リポソーム法では、C型肝炎ウイルス全長、すなわち9.4キロベースのDNAの遺伝子導入も可能であった。すなわち、遺伝子導入の目的に応じては長いDNAの活用も可能であることを示した。
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