研究課題/領域番号 |
06454268
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
足立 幸彦 近畿大学, 医学部, 助教授 (50111026)
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研究分担者 |
南野 達夫 近畿大学, 医学部, 助教授 (40189220)
山本 俊夫 近畿大学, ライフサイエンス研究所, 教授 (50088522)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 有機アニオン / ビリルビン / プラバスタチン / タウロコール酸 / UDPグルクロン酸転移酵素 / 胆汁排泄 / Gilbert症候群 / Rotor症候群 / 肝細胞内輸送 / 胆汁中排泄 / グルクロン酸抱合 / 閉塞性黄疸 |
研究概要 |
肝細胞の有機イオン代謝と輸送の機序を明らかとし、臨床医学との関連を追及する目的で、以下の研究を行った。(1)有機アニオンモデルとしてpravastatin(PS)を選び、その肝細胞から毛細胆管への排泄機序を明らかとする目的で、正常ラット及びDubin-Johnson症候群モデルの先天黄疸ラット(Eisai hyperbilirubinuria rat ; EHBR)の毛細胆管側肝細胞膜vesicle(CMV)への標識PS摂取を観察した。PSの輸送は、ATPと上行性pH勾配の両方により促進された。この輸送は、EHBRにおいては認められなかった。従って、この輸送がビリルビンその他の有機アニオン輸送に生理的に作用していると推定出来た。(2)ラットの胆管閉塞において、標識PV及び標識taurocholate(TC)のCMVへのATP依存性摂取の変化を経時的に観察した。胆管閉塞2日目で既にPV,TCの両者の摂取は著明に減少し、病態時のこれら膜輸送変化の意義が明らかとなった。(3)肝細胞小胞体のbilirubin UDP-glucuronosyltransferase(bilirubin UGT ; UGT 1*1)活性が正常の約30%、約10%に減少している、各々Gilbert症候群、Crigler-Najjar症候群II型において、特に前者を中心にUGT 1*1遺伝子の異常を解析した。Gilbert症候群においては、coding regionの主にヘテロの点突然変異とpromoter regionのホモのTA過剰を認めた。従って本症候群では、優性遺伝、劣性遺伝の両方が存在する可能性が高い。(4)Rotor症候群において、肝組織のglutathione S-transferase(GST)の免疫組織染色の欠如を認めた。従って、Rotor症候群は肝細胞上清分画のGSTの欠損が病因である可能性が強い。(5)我々の成績を中心として、bilirubinを含む有機アニオンの肝代謝・輸送について、文献的観察を加えた。
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