研究課題/領域番号 |
06454277
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (1996) 筑波大学 (1994-1995) |
研究代表者 |
水澤 英洋 東京医科歯科大学, 医学部神経内科, 教授 (30144091)
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研究分担者 |
大越 教夫 筑波大学, 臨床医学系神経内科, 講師 (80203751)
藤田 恒夫 筑波大学, 臨床医学系神経内科, 講師 (30261803)
永田 博司 茨城県立医療大学, 教授 (10198335)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 運動ニューロン / skein様封入体 / Lewy小体様hyaline封入体 / Bunina小体 / neurofilament / ubiquitin / raund inclusion / Cu / Zn superoxide dismutase / ubiguitin / round inclusion / Lewy小体様 / Zn SOD / NOS / cathepsin D |
研究概要 |
運動ニューロン疾患(MND)は、大部分が孤発生でありその発生機序の解明には、MNDに特異的あるいは特徴的なskein様封入体(SLI)、Lewy小体様ヒアリン封入体(LBHI)、Bunina小体(BB)など神経細胞質内封入体からのアプローチが必要と思われる。本研究では、これら特異的封入体の構成成分・形成・分解過程、相互関係を明かにする目的で、ヒト剖検組織を用い光顕・電顕レベルでの免疫細胞化学的検索を行った。まずSLIとBBは光顕的・電顕的に類似していると報告されているが、前者がubiquitin(Ub)陽性、cystatinC(CC)陰性であるのに対して後者はUb陰性、CC陽性と反対である。SLIは単一のフィラメント状のものから、それらがネットワークを形成したり、高度に集簇し類球形をしたものまで種々の生成段階がみられ、Ub陽性所見は共通するものの、neurofilament(Nf)、Cu/ZnSODともに陰性であり分子組成はLBHIとは異なる。SLIは電顕的にはリソゾーム系の関与が疑われているが、リソゾーム系酵素のcathepsinDとはとくに強い関連はなく、Ub系の方とより強く関係していると思われた。しかし、Ub hydrolaseやproteasomeはほとんど陰性であり、このUb形は十分に機能していない可能性が示唆された。 孤発生MNDの円形封入体をround inclusion(RI)として、家族性MNDでみられる真のLBHIから区別し、SLIおよびLBHIとの相互関係を検索した。RIは、大部分が輪郭不整で内部も不均一であり、電顕的にSLIによく似ていた。免疫細胞化学でも、RIは、NF、Cu/ZnSOD、Ub hydrolaseのいずれも陰性のことが多く、SLIと同様の反応性を示した。すなわち、RIは"round"な形のSLIそのものであるともいえることが明らかとなった。この過程で、従来陰性とされてきたNfが一部には存在することを電顕的・免疫細胞化学的に明らかにした。SODとの関連で酸化ストレスの関与を検索したところ、上位運動ニューロンの変性にnitrotyrosineすなわちNOを介する酸化ストレスが関与していることを初めて証明した。これらの業績は世界的にも認知されており、第12回国際神経病理学会(1994年、Toronto)での招待講演をはじめとして様々な形で発表された。
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