配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
過去数年間にdystrophin-glycoprotein complexの構成成分であるsarcoglycan複合体の欠損によりSCARMDが,細胞外リガンドであるlaminin-2の欠損によりCMDが引き起こされることが明らかされた.これらの疾患における神経障害における神経障害の分子発病機序を解明するために,本研究において我々は神経系のdystrophin-glycoprotein complexの分子構築・生物学的機能に関する生化学的,分子生物学・遺伝学的研究を展開してきた.その結果,これまでに我々は,(1)末梢神経ではシュワン細胞膜・髄鞘外膜にdystroglycanが発現し,同部を取り巻く細胞外基底膜にはlaminin-2が発現していること,(2)シュワン細胞膜のα-dystroglycanはlaminin-2と結合すること,(3)シュワン細胞膜のα-dystroglycanとlamine-2の結合にはα-dystroglycanの特定の糖鎖が重要な役割を果たすこと,(4)シュワン細胞膜のα-dystroglycanはlaminin-2のみでなく神経筋シナプスの形成に関与するとされるagrinとも結合すること,などを発見し,報告した.我々はさらに最近,脳においてはdystroglycanが特定の神経細胞の特殊な部位に限局して発現しているとの予備的データを得ており,dystroglycanが脳においてシナプスの形成に関与しているのではないかと考え研究を開始している.
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