研究課題/領域番号 |
06454310
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
加藤 裕久 久留米大学, 医学部, 教授 (30080724)
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研究分担者 |
坂口 美奈子 久留米大学, 医学部, 助手 (50258422)
西依 淳 久留米大学, 医学部, 助手 (30218226)
佐藤 登 久留米大学, 医学部, 助手 (50205952)
佐川 公矯 久留米大学, 医学部, 教授 (20140650)
杉村 徹 久留米大学, 医学部, 助手 (80248400)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 川崎病 / T cell receptor / スーパー抗原 / TNF-α |
研究概要 |
川崎病の原因はいまだに不明である。最近、川崎病患者の末梢血において特定のT Cell Receptor(TCR)を発現しているT細胞の選択的な増加が川崎病と関係しているという報告があいついでなされている。川崎病の病態をより良く理解するために以下の研究を行った。 川崎病の急性期(20例)、回復期(20例)及び、対照小児(感染症は除く18例)、健康成人(20例)より採血した新鮮抹消血を材料として、抗体を用いてT細胞に発現しているTCRのVβ2、Vβ8.1の割合の検討を行ったが、その結果これら4つのグループでは有意の差は認めなかった。さらに抹消血あるいは、病変部皮膚生検、リンパ節生検材料よりT細胞を105個クローン化した。しかしVβ2またはVβ8.1陽性細胞は認められなかった。川崎病の血管炎の成立に重要な役割をはたしているTNF-αTNF-αを刺激せずに産生しているクローンは全体の65%であった。一方、刺激を加えずにIL-2を産生しているクローンは10%、IL-6を産生しているクローンは7%であった。これらのクローン化した細胞の多くはPHAやPMAの刺激によりさらに高いレベルでTNF-α、IL-2、IL-6を産生するようになった。これらのこれらの結果からは、これまでの報告とは異なり、Vβ2またはVβ8.1陽性T細胞は川崎病の病態には関係していないと考えられた。我々の検討では、これまでの報告の方法では、抹消血単球を一度凍結融解し、その後抗CD3抗体で刺激すると、Vβ2陽性T細胞の割合が新鮮末梢血では増加していなかったものでも、増加を示してくる。これまでの報告はその実験に問題があった可能性があると考えている。またスーパー抗原の1つである、血清中のToxic Shock Syndrome Toxin-1(TSST-1)、抗TSST-1抗体について、鋭敏な方法で測定したが、TSST-1が川崎病の原因であるという結果は得られなかった。
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