配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
山形大学医学部附属病院と山形県内の5施設の放射線科と皮膚科が共同してヨード造影剤の遅発性副作用の調査研究を行った.準備期間を経て,調査・資料収集の期間は平成6年10月から平成7年12月となった.遅発生副作用を次のように定義して調査に当たった.「造影剤投与終了後1時間から7日後までに発現した症状で,現病・薬剤などとの関連が明らかなものと疑われるものは除く」.造影剤の種類による差の確認を研究目的の一つにしたので,回答項目を制限し,客観的な皮膚症状中心のアンケートとした.その後,資料収集,電算入力,分析に当った.造影CTまたは血管造影の症例,のべ16,700例が対象となり,うち11,783例から回答を得た.皮膚症状を呈したもののうち44名が皮膚科を受診した.このうち27名がアレルギー試験を受けた.これらを分析した結果,注目すべき点を次に要約する. 1.Isovistで皮膚症状の発現が有意に高頻度で,中等症以上のものが約6割を占めた. 2.その他の造影剤で遅発性副作用の発現頻度は,従来の報告と大きい変化はなかった. 3.遅発性副作用の危険因子として抽出されたのは次の4項目である. (1)造影検査歴のないもの.(2)造影検査で副作用を経験しているもの.(3)アレルギー歴のあるもの.(4)血清クレアチニンが2.0mg以上のもの 4.アレルギー試験の結果で注目されるのは次の点である. (1)IopamironとOmnipaqueで副作用を発現したものでは,それぞれ自体に陽性・疑陽性を示すものがあった上,他の造影剤に交叉反応を示すものがあった.(2)Isovistで副作用を発現したものでは,それ自体に陽性・疑陽性を示すものはあったが,他の造影剤に交叉反応を示すものはなかった.
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