研究課題/領域番号 |
06454349
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 北海道大学 (1995) 自治医科大学 (1994) |
研究代表者 |
斎藤 政樹 北海道大学, 医学部, 教授 (60012762)
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研究分担者 |
酒井 尚雄 自治医科大学, 医学部, 助手 (10235111)
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 講師 (00199431)
中村 充 自治医科大学, 医学部, 講師 (20198237)
大田 雅嗣 北海道大学, 医学部, 助教授 (90160514)
北川 誠一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50133278)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 網膜芽腫遺伝子産物Rb / 細胞外マトリックス(ECM)糖蛋白 / テネイシンC / アポトーシス抑制遺伝子bc1-2 / 分化形質発現 / 細胞周期 / アポトーシス感受性 / 間質・上皮間相互作用 / 細胞分化の制御 / アポトーシス抑制遺伝子bcl-2 / 水溶性細胞増殖因子EGF / 細胞外マトリックス糖蛋白分子 / cdc2遺伝子産物 / Rbリン酸化抑制 / アポトーシス誘起 / bc1-2遺伝子 / ECM糖蛋白テネイシン |
研究概要 |
平成6-7年の研究期間内に、以下の研究成果を得た:(1)TGF-βによる単球性白血病株JOSK-I細胞の増殖抑制は、細胞周期G1後期での増殖停止のためであり、S又はG2/M期では増殖抑制を受けない。このG1後期の増殖停止は、網膜芽腫遺伝子産物Rbの非リン酸化型が蓄積しDNA合成が抑制されるためである。一方、アフィディコリンはG1/S期停止を起こすが、Rbのリン酸化抑制はTGF-βに比べ非常に弱い。分化誘導剤ホルボールエステルもRbリン酸化を抑制するが、これは分化誘導の結果、細胞周期が停止したためと考えられる。未同定のRbキナーゼやcdc2遺伝子産物がRbリン酸化に深く関与していることが示唆された。TGF-βはcdc2のmRNA及び蛋白レベルには影響しないが、cdc2の翻訳速度及びキナーゼ活性を抑制する。従って、TGF-βによる細胞増殖抑制はRbリン酸化抑制(非リン酸化型の蓄積)と関連しており、これはTGF-βによるcdc2キナーゼ活性阻害を介していると示唆された。(2)骨髄性白血病株HL-60細胞を用いて分化誘導(コミットメント、さらに分化形質発現)とアポトーシス誘起とを分離して解析できる実験系を確立した。分化形質のNBT還元能発現とアポプトーシス誘導に解離が認められた。またmycおよびbc1-2遺伝子発現は共に分化誘導後6時間で抑制された。分化誘導開始から24-36時間の間にアポプトーシス誘導に必要な現象が起こり、それにbc1-2の発現抑制が密接に関与していることが判明した。(3)細胞外マトリックス(ECM)糖蛋白分子は、一般に細胞間接着を介して細胞増殖・分化を制御する重要な生体高分子であることが明らかにされつつある。ECM糖蛋白分子テネイシンCは腫瘍組織形成の際、間質・上皮間相互作用に基づいて、時間的、空間的に極めて限定された発現様式をとる。またテネイシンC発現誘導の生理的な制御因子は未だ不明であるが、そのde novo合成は間質・上皮間相互作用のもと、水溶性細胞増殖因子EGFによって誘導される。EGFによって誘導されるテネイシンCの分泌及びそのmRNAの発現はステロイドホルモンによって抑制される。この効果はハイドロコーチゾンが最も高い。テネイシンC遺伝子のホモ欠損マウスより樹立したストローマ細胞株を用い、造血系細胞と共培養(長期骨髄培養:LTBMC)することによりTNの生物活性を検索したところ、未梢血液像、骨髄像、短期造血幹細胞コロニー形成能などには有意な変化を認めなかったが、LTBMCにおいて有意な造血能低下を見出した。
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