研究課題/領域番号 |
06454352
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
折田 義正 大阪大学, 医学部, 教授 (70028398)
|
研究分担者 |
守山 敏樹 大阪大学, 健康体育部, 助手
今井 圓裕 (今井 園裕) 大阪大学, 医学部, 助手 (00223305)
和田 晃 大阪大学, 医学部, 助手 (50252648)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
|
キーワード | 糸球体腎炎 / 腎生検 / メサンギウム細胞 / 形質変換 / カルデスモン |
研究概要 |
ヒト糸球体腎炎における検討 平成6年度は当院で実施した腎生検症例においてα平滑筋アクチン(SMA)の糸球体内発現および胎児型ミオシン重鎖(SMemb)の糸球体内発現を予備的に検討した。SMAは糸球体病変の進展と相関を示したが、SMembに関しては明確な結論が得られなかった。そこで平成7年度は血管平滑筋細胞において形質変換に関与しているとされるカルデスモン(Cd)に着目し、その発現が、メサンギウム細胞においても形質変換の指標となりうるかどうかを詳細に検討した。当院において施行したIgA腎症患者20例の腎生検標本を用い免疫組織化学染色にてCdおよびSMAの発現を調べ、各症例毎に、メサンギウム細胞増殖病変の指標としてPCNAの発現や光顕標本における細胞増殖性病変と硬化性変化の指標および臨床データ(尿蛋白、Ccr等)とCd,SMAの発現とを比較検討したところ、CdはSMAと同様に増殖性糸球体病変の進行と共に発現が増強しているとの結果が得られ、CdおよびSMAがメサンギウム細胞の形質変換および糸球体硬化に関与している可能性が示唆された。またステロイド等の治療により光顕標本において糸球体病変の軽快した症例ではCdおよびSMAの発現は低下していたため、糸球体病変の治療反応性を含めた活動性の指標となりうると考えられた。 ラツトにおける検討 In vivoにおいてメサンギウム細胞の形質変換を引き起こす因子を同定することは治療のターゲットを明確にするためにも極めて重要であるが、これをヒト糸球体腎炎で詳細に検討することは困難である。そこでラットを用い1)レニンおよびアンギオテンシノーゲン遺伝子を正常ラット腎糸球体に遺伝子導入することでメサンギウム細胞形質変換および糸球体硬化を惹起し得た(BBRC誌に公表)。2)抗胸腺抗体腎炎ラット糸球体にTGF-βのアンチセンスオリゴを導入し、TGF-βの過剰発現をmRNAレベルでブロックし、その結果TGF-β蛋白の発現および糸球体硬化病変が抑制され、同時に糸球体メサンギウム細胞の形質変換も抑制された(Kidney International誌に掲載予定)。という知見を得、レニンアンギオテンシン系およびTGF-βのIn vivoにおける糸球体メサンギウム細胞形質変換への関与を明らかにした。
|