研究課題/領域番号 |
06454357
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
久保 良彦 旭川医科大学, 医学部・第一外科, 教授 (70000990)
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研究分担者 |
笹嶋 唯博 旭川医科大学, 医学部・第一外科, 助教授 (20109515)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1995年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | エラスチン / 小口径人工血管 / 抗血栓性 / ヘパリン / 吻合部内膜肥厚 / Vascular prosthesis |
研究概要 |
微細メッシュ構造を有するポリウレタンチューブにゼラチンを平滑に内面被覆した人工血管を試作した。ついで試作された上記人工血管の内面にコアセルベーションを応用して水溶性αエラスチンを均等平滑に被覆し、デナコールにて固定した。エラスチン層厚は、0.5mmであった。エラスチン被覆人工血管(内径6mm、長さ6cm)を雑犬5頭の腹部大動脈に埋め込み、24-48時間後に摘出した。しかし摘出標本内面は、血栓付着が著明で期待した抗血栓性が得られなかったため被覆基材を変更し、抗血栓性を付与するため内面をさらに加工した。すてわち変更後の試作人工血管は、同様の基材にアルブミンを平滑に内面被覆し、さらにグルタールカルデヒド(GA)架橋後ヘパリンを結合させた。ヘパリンの結合はin vitroで確認した。 改良を加えた人工血管について早期抗血栓性評価のため雑犬3頭に同様の方法で埋め込み実験を行なった。摘出標本内面の優れた抗血栓性が確認されたことから引き続き2頭に慢性埋め込み実験を実施し、埋め込み期間6カ月で吻合部内膜肥厚を伴わない良好な開存が確認された。血管の内弾性板の主体を成すエラスチンは、抗血栓性と共に高い組織適合性を兼ね備えることがヒト臍帯静脈の長期埋め込み実験で確認されているが、その抗血栓性はα-エラスチンのみによらない可能性が示された。今回検討した人工血管は、その点を克服するためGA架橋+ヘパリン結合により強制的に早期抗血栓性を付与した。長期では、ヘパリンは消失したが、エラスチンの組織適合性により内面に形成されたフィブリン層と吻合部内膜の安定した固着が達成されたものと考えられた。
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