研究課題/領域番号 |
06454377
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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研究分担者 |
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助手 (90235367)
古屋 智規 秋田大学, 医学部, 助手 (60250891)
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 肝障害 / Heat Shock Protein / DNA損傷 / NICK / 阻血再凍流障害 / Heat Shock protein / 近赤外分光々光計 / 阻血再潅流障害 |
研究概要 |
申請者は、これまで動物実験で肝血流量の人為的増加で酸素供給量を増加させると、ある範囲内で肝ミトコンドリア機能が改善されエネルギー産生が亢進することを確認している。肝細胞内のHeat Shock Protein(Hsp)はATP依存性に肝細胞核DNA損傷とその修復に関与していることはすでに明らかにされていることから、肝細胞内にHspを予め誘導増加させておけば、侵襲に対する損傷の軽減と修復の促進が期待される。 申請者は、この推論に基づいて、肝癌に対する肝切除術の安全性を高め手術適応を拡大するために、肝の高酸素化と温熱負荷によるHsp誘導の意義を明らかにしようとした。 従来、肝予備能の研究は多くなされてはいるが、その目的は手術危険例を選別することで、見かけの手術安全度は高まるが、手術除外例への対策はなされていない。本研究ではこの除外例にたいしても積極的な手術療法の可能性を追求するものである。また、肝障害の治療には、外部からの薬剤使用が一般的であるが本研究では本来の血流を介した酸素化と生体内の既存のHspの誘導を図るなど極めて生理的、合理的方法を模索する研究である。 本研究により以下の事項が明らかにされた。すなわち、1、肝障害に応じてHspの量的、局在的変化が起こること 2、43°の温熱負荷により肝細胞内にHsp73が誘導され、かつ細胞質と核の間を移行していること 3、温熱負荷時間、回数を変えることによってHsp誘導量が変化すること 4、予め温熱負荷でHspを誘導しておいてから肝血行遮断、エンドトキシン、thioacetamide(TAA)を負荷すると、温熱負荷していないものに比べて肝障害度は軽度であった。 5、肝血行遮断と肝障害との関連では、流入血行を遮断したさいには肝静脈血が肝の酸素供給に有用で、全肝血行遮断の際には肝静脈血酸素化の意義推定された。 以上の結果から、少なくともここに挙げた方法は肝予備力を高め手術侵襲により耐える状態をもたらし、臨床応用の可能性も十分あるものと考えられた。
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